日記

"見えない恐怖"

 中国・武漢で新型コロナウイルスが蔓延し都市封鎖などこれまでにない事態となり、突貫工事で病院を造る様子を遠い国の話しのように受け止めてから4か月しかたっていない。しかし、韓国...、イタリア...、ヨーロッパ...、アメリカ...とあっという間に世界中に蔓延し、WHO(世界保健機構)がパンデミックだとした。しかもさらに深刻な状態だ。

 パンデミックとは、ギリシャ語の"パン=全て"と"デモス=人"で「すべての人」との意味だという。また、"デミック=広がる"で「すべてに蔓延する」の説もあるそうだ。いずれにしても誰が罹患してもおかしくない...状態。
 医師に高齢で慢性疾患の身はハイリスク?...と聞くと「悪い状態でなければ...」。加えて、多くの人が保有している可能性がある...と言いつつ「さほど恐れなくていい。大事なのはしっかり予防する」こと。エビデンスがある人は、状況を理解して客観化できる...と思った。他医師は"一処置一手洗いの徹底!"と。

 学校再開はどうかと思ったが、文科省はガイドラインで"3密=密閉・密集・密接を避ける工夫を呼び掛けた。校庭での入学式など、卒業式も出来たのに...と思う。学校では3密は必然なので戸惑っているというが、普段を打破し工夫する発言が少ないことが恐怖だ。

 最新情報では新型コロナウイルスは"マイクロ飛沫感染"。いつまでも室内に浮遊する。飛沫が飛び交う室内にしないために密閉を防ぐ=換気をする=窓を開ける。これだけで大いに感染率が下がる。だが空気清浄機等で密閉空間の清潔を保っている普段になれ窓を開ける習慣がない。危機にあっては習慣を変える必要がある

 危機管理では当り前を変えることが絶対必要。例えば、"食事を楽しく食べよう!"が良いことでも今はやってはいけない。知らないうちにウイルスを運び周囲に迷惑をかけてしまう恐怖を自覚すべきだ外出自粛の休日にカップルが歩く姿を見ると、2人の事情も知らずに愚か者と感じるのは間違いかもしれないが、相手を尊重する姿とは思えない。
 
 
人間の歴史は、黒死病=ペストなど感染症の恐怖にさらされてきた。最近ではSARS=コロナウイルス=重症急性呼吸器症候群が中国から始まり世界を震撼させた。2003年7月の終息宣言まで10か月程。見えない敵と戦う恐怖は人々をパニックにする可能性が高い。しかし、見えるまでには時間が必要で最近では最低でも1年はかかると言われている。

 2020年3月28日、千葉県の知的障害者入所施設で大量感染者の報道。あっという間に感染が広がるのが集団生活の場。しかも、自らを守るすべを持ちにくい人たちが暮らす施設は重大な危険を伴うと自覚すべきだ。しかも、予見したとおり職員からの感染のようだ。だから、職員等がいかに持ち込まないかである。不要不急の外出を控えるのは、職員だけでなく、家族や近親者にも是非ともお願いしたい。加えて生活環境への配慮を怠りなくやらねばならない

 藤沢育成会はこれまで地域で暮らすように事業を進めてきた。だから利用者が街歩きを楽しんでいる。そこに感染のリスクが伴うのだから、一層リスクが高いと自覚したサービス提供と支援をしたい。(2020.4)