日記

正しく"恐れる"

ついに緊急事態宣言!いずれ...と思っていたがとうとうここまで来た。しかし、ロックダウンには至っていない。様々な意見がある中、大学病院の研修医が40人ほどで会合、集団感染となった。承知している人の行為は、社会に衝撃を与え不安をあおる。

一方、これより前に名古屋の病院で新型コロナウイルス患者の治療にたずさわっている看護師の子どもが保育園で隔離された。看護課長の話では、通園を拒否された人もいるそうだ。"風評被害"では済まされないことで義憤を感じる。医療関係者が新型コロナウイルスと最前線で戦っていることへ感謝こそすれ、その人の子どもを差別するなど断じて許せない。自らも感染源を運ぶ可能性を見落とした身勝手な言動だ。

 初めて障害福祉施設で働いた時、散歩の途中でランドセルの子ども達から"うつるから、あっち行け!"と石を投げられた。子どもは正直なもので、誰かに教わらなければこのようなことはしない。ほぼ半世紀前、障害者への偏見は今とは比べようもないほど強かった。子どもにすれば、なぜ悪いの...程度のことだったろう。

 人は、見たこともないモノ、理解不能なモノ、見えないモノ...つまり得体の知れないものを恐れる。"お化け"が怖いのはこの類でしかない。お化け屋敷は、人が変装している、操作している...。それが理解できると怖さは極端に減る。若者たちは怖さを面白がるが、年を重ねるとそれも面白くなくなり興味がわかなくなる。

 専門家が"解明できていない..."ことに怖さを覚えるのが新型コロナウイルス。4か月たち、次第にその正体が見え隠れしだしたが、まだ治療薬もワクチンもない。それはわけの判らない恐怖。ゆえに一層怖さをあおる。専門家さえ怖さの正体を見破れないのだから本当に怖い...と、怖さが怖さをあおり、さらに怖くなる。有名人が罹患すると怖さが身近に迫ったと感じる。若者は"知っている顔が亡くなり怖さを実感した"と。身近になればなるほど怖さが増幅する。怖さは状況の変化に気づかず恐さだけを突出させる

 本当に"怖い"のは、正体を見極めようとしないこと。得体が知れない状態から脱し、①3密(密閉、密集、密接)を避けるとクラスターを防ぐ確率が上がる。②マイクロ飛沫感染だから空気の入れ替え=窓を開けると感染確率が下がる。③開発してきた薬や医療器具等に効果がある。④新薬開発が進み治験が出来そう...などの報道がある。

だが、①都市部で医療崩壊の恐れ、②院内感染の恐れ、③一部若者の行動がクラスターを作りやすい、④接客を伴う飲食が感染を広げる、⑤社会福祉施設等の集団感染等まだまだ"恐れ"から逃れ切れていない。それどころかさらなる恐怖が間近に迫った印象が強い

 障害福祉サービスは、暮らし向きで困った状態になった時に役割がある。今は人類全体が大変困った状態にある。だからこそ役割をしっかりと果たすことが求められる。

 自分がうつらなければ良いのではなく、自らがうつす可能性を意識したい。すべての人達が"暮らし向き"に疲弊している今出来ることは、サービスを継続できる環境を整え続けること正しく恐れ、長い闘いになる可能性が高い新型コロナウイルス対策に、かからない、かからせない、運ばない、を徹底して乗り切りたい。(2020‐4②)