行く先々で土地の人々と交わし、おいしい地の物を振る舞われたことを思い出す度に、目頭が熱くなり胸が痛む。
避難所生活が長引き、憔悴している高齢者。未だに終息の見通しがつかず一進一退の福島。一方で自粛ムードを取り払い、復興のために元気と活性をと求められても、腹の底から笑うには人目を憚る。どうやら心の節電も余儀なくされているようである。
先日、テレビ放送の番組で、アメリカ人の多くは科学的な裏付けによる進化論より神を信じる国民であるという。神の意志で地上の世界を創ったという天地創造の壮大なスペクタクルだ。先進国であるアメリカ人の多くがこの原理を信奉しているということに、自由の国と敬虔な国民性を感じた。
有史以来、古の人々は神や自然に畏敬の念を抱き、天の怒りに触れぬよう崇めてきた。いかなる事があっても謙虚で厳かであった。しかし、また、科学技術や文明の利器に頼れぬ頃は、恵みと救いを神に縋ることも日常であったにちがいない。
1,000年に一度という巨大地震は世界を震撼させ、多くの犠牲者によって生きると言う事を強烈に問うた。人智に及ばぬ宇宙規模の想定外に対して我々は無力に等しい。
大船に乗った安全と安心の神話は無い。地球にいる限り、どこにも逃げられない人類は大いなる意思によって地上に生かされているということを痛切に感じる。
戦争を知らない子供たちから数十年経過した今、全世界に芽生えた"今できること"の精神を、今だけでなく、永遠の真理として人々の心の深層に求められている。
写真・下: 春(新林公園)

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