イタリア映画「人生、ここにあり」(湘南あおぞら・小林博)

image[1].jpg先日、シネスイッチ銀座で、イタリア映画『人生、ここにあり』を見てきた。イタリアは、世界に先駆けて「精神医療の地域化」を進めている国で、その取り組みが始まって間もなく、1983年の時点での実話をもとにした物語である。我々の業界的な表現を使えば、「精神​障害者の社会参加と就労」とかをテーマにしている話なのだが、そ​んな専門用語的な事柄を持ち出さなくても、ドラマとして普通に見​て面白く、愉しめる映画だった。実はここまで、「肩肘はらないで​見られる」出来映えにするには、脚本から演出まで相当な練り込み​があったはずだが、そうしたことを表に出さずにコミカルに仕立て​ているのは流石だと思った。前半、ある意味脳天気なサクセススト​ーリーで展開していくのかと見せておいて、後半でぐっとシリアス​な部分を押しだしていくあたりは、本当にうまいと思った。
お客さんは超満員の入りで、特に福祉だ精神保健だに関心があるわけでもない、普通の映画好きの人たちがたくさん来ているように見受けられた。驚いたのは、劇中で精神障害者に対する、日本語でいう差別用語がバンバン発せられることだった。日本では、とても考えられない光景である。こういう、開放的な言語文化の風土が、イタリアの精神医療地域化の根っこを支えているのだ、ということを改めて発見した。

 

『人生、ここにあり!』予告編 日本版

http://www.youtube.com/watch?v=3AZleEjaiZw

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