「原鉄道模型博物館」 (湘南ゆうき村・植村  裕)

少し前のことであるが、清水に住む友人からそちらの方に行く用があるので会わないか、と連絡があった。彼の檀家のお寺が東京にあるので法事やお彼岸で上京したときに、お互いの都合がよければ会っていた。

横浜で落ち合い、昼食を食べながら久しぶりの再会だったので、昔話に花が咲いた。食事も終わり、さて次は何処に行こうかと聞くと、「横浜に新しい鉄道模型博物館ができたらしいのだけど・・・」と言いにくそうに話す。実は彼は鉄道模型ファンなのだ。そして、私は鉄道模型にはまったく興味がない。食事のとき、彼は直接、清水から横浜に来たので、このあとお寺に行くのかと聞くと、今日は行かないと言う。どうもおかしいと思ったが、彼の「用」とは「私と鉄道模型博物館に行くこと」だったのだ。ようやく理解できた。しかし、私は彼の昔と変わらぬそんな子供っぽいところが嫌いではない。そこで「では行こうか!」と快諾した。

この博物館は「原鉄道模型博物館」という名称でみなとみらいの横浜三井ビルディングに今年の7月に開館したばかりで、鉄道模型の製作・収集家である原信太郎氏が所有する約1,000両の模型や鉄道コレクションのほか、一般公開されている室内施設としては世界最大級のジオラマを展示しているとのことである。門外漢の私もよくこんなにたくさんの車両を集めたものだと感心し、巨大なジオラマには驚かされた。鉄道模型が走っているのを眺めていると、何か別の世界にいるような気分になり、結構楽しいものである。しかし、もっとすごいものがあった。それはFS E626というイタリア国鉄の電気機関車の模型で9000個もの部品を、すべてリベットとビスで組み立てたという。部品レベルまで実車を再現しているのだ。その精巧さといい、質感といい、今まで見たことのないものだった。その製作者の物作りに対するこだわりと執念には圧倒された。そして、私にとって未知な世界を垣間見ることができ、新鮮な気分だった。友人は地元で休日にときどきボランティアで老人施設や保育園で鉄道模型を走らせて、利用者の方や子供たちに喜ばれているそうだ。別れるとき、「今度は遠いけど、うちの施設にも来てくれよ。」とお願いした。

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