珈琲ライフの話 (よし介工芸館・梅田久仁夫)

毎日欠かさず嗜むもの、それはコーヒーと芋焼酎。特にモーニングコーヒーは1365日、いつでもどこでも、朝、起きてから十五分以内に必ず一杯頂かないと一日が始まらない。少し前までは香りを楽しみながらコーヒーミルでゴリゴリと豆を挽いていたが、慌ただしい今時の朝は時間の経過が早いので淹れ方がドリップバッグになった。お好みはグアテマラとコロンビアのオーガニックブレンド。愛飲しているコーヒーパッケージにそのように印刷してあるだけで特別な拘りがあるわけではない。

コーヒーを飲みながら、まだ覚めやらぬ頭で本日の予定を確認する。目覚めの一杯は、その日の体調や気分によって、味覚、のど越し、腹に落ちて行くまでの感触が異なる。絶好調の時はコクや苦み、そして酸味といった異なる味とバランスがしっかり感じ取れる。だが、健康状態がすぐれない時は香りも薄く、呑込む時に熱さだけしか感じられない。だからコーヒーが美味いと感じた日は滑り出し好調というコーヒー占いだ。

一杯のコーヒーが一日の始まりといったライフスタイルは、「クリープの無いコーヒーなんて・・・」とかいうCMがTV放送されたころから。それ以前は、朝食に必ず味噌汁があり、大人も子供も普通に食事を頂き、お茶を飲んでから「行ってきます。」という実に健康的でゆとりのある昭和の朝だった・・・そして、日曜日になると祖父に連れられて行った銭湯。湯上りに飲む冷たいコーヒー牛乳が楽しみで、今でもその時の味が忘れられないからコーヒー党となった原体験はこの時だったかもしれない。充実した一日を過ごすために、いいとこ取りをすれば、やっぱり朝は味噌汁と納豆パワーをしっかり摂り、ゆっくりと美味しいコーヒーを一杯だけ飲んで一日のスタートを切るのが理想だ。

 

美食家で敏腕政治家であったフランスのタレーランは「よいコーヒーとは、悪魔のように黒く、地獄のように熱く、天使のように純粋で、愛のように甘い。」と、歌の文句のような表現で"完璧なコーヒー"を形容したが、意図するところはよく分からない。自分が今まで最高に美味しいと思ったコーヒーでもこのようなフレーズのイメージはなかったし、重なる文化がない。ブルーマウンテンを所望する際もプレミアを感じる程度。だが、225年も前のフランス革命後の頃だから、彼が最高級のコーヒーは特権階級の嗜好品である事を想起し、当時の時代背景や人間の持つ欲求などを思いっきりコーヒーに映し出したものと推察される。コーヒーに歴史と文化のウンチクを傾けながら嗜むのも一興だ。

 

         ▼香りと唇の感触から楽しむのが珈琲の美学。

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         ▼マグカップか作家物の違いで味も変わる。

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