「アランの幸福論」 (湘南あおぞら・倉重 達也)

第15回アランの幸福論 写真.jpg

 久しぶりに書店に行って見たら、アランの幸福論がいろいろなところから出版されていておどろいた。ダイジェスト本であったりコミックになったりしたものをいれると相当の数に上る。

いわく、「絵本 幸福論」「まんがで読破 幸福論」「100de名著ブックス 幸福論」。角川書店もソフィア文庫と称して、女子高生が描かれた表紙の本を出しているが、その装丁だけ見たら思わず漫画本かと思ってしまう。角川文庫と言えば戦中から戦後にかけてアランの本を廉価な文庫本で出すという硬派な出版社の面も持っていたはずだ。

アランは安易な道と言うものが持つ落とし穴について良く知っていたから、この要約と人目を引く広告ばかりが目に付く日本の出版状況を知ったらどう思うだろうか。

 

ページをぱらぱらと捲っただけでも次のような文章に出会う。

「野心家たちへ」

「だれでも、求めるものは得られる。若い者はこの点を思い違いする。棚からぼた餅が落ちてくることしか待っていないからである。ところが、ぼた餅は落ちてこない。そして、ほしいものはすべて山と同じようなもので、わたしたちを待っており、逃げて行きはしない。だが、それゆえよじ登らなければならない」

「王は退屈する」

「少しは生活の苦労があって、まったく平坦な道を歩まないほうがいい。」

「行動する」

「人は行動することを欲しているのであって、忍従することを欲しているのではない。」「人は柵からぼた餅の幸福などあまり好まない。自分でつくることを欲するのである」

(以上集英社版:白井健三郎訳)

 

何故、少しは生活の苦労があったほうが良いのか、また、何故、行動することが幸福へと導くのか?それはこの本を読んでもらうしかないが、アランの言葉を真似れば、「幸福論を読むことは何物でもない。日々実践するのでなければ」とでも言い返されそうだ。

 

以上

 

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