日記

「点から線へ」(湘南あおぞら 課長 石川 大助)

湘南あおぞら

筆に墨を含ませる

墨を含ませた筆を硯から引き上げる

引き上げた筆を紙におく

おいた筆を求める方向へ動かす

求める地点で筆を止める

筆を引き上げる

新た地点に筆をおく

求める方向に筆を動かす

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これらの動作を繰り返して形が生まれる。

単純な動作を繰り返すだけなのに思った通りに出来上がらない。

点から始まり線になり形を成しいていく過程で何かが起こる。墨を含ませすぎた、筆をおく位置が違った、筆をおく前に紙に墨が垂れた、筆に墨を含ませすぎた事で滲みが広がりすぎた、筆に含ませた墨が少なく過ぎて線にならない「こんなはずでは・・・」「ちがう」と。

難しい、実に難しいのです。

白い紙に点をうつ前からある数え切れない程のハードルを越えるためには、刃を研ぐように集中力を高め、心の内をコントロールし、完成のイメージとを練りあげ「今だ」のタイミング=「覚悟」する自分を待つのだ。始めたら止められない。意思をもって点を線に変え形を成し終えるまでの数秒から数分の間、集中を切らさずに進むのみ。

これらを体現していたのが前衛書家の井上有一だ。

茅ヶ崎市と寒川町で教師をしながら前衛書家として活躍をしていた人物がいた。墨と紙に向き合い新たなモノクロームの世界を表現していた。

数々作品を残しているが、「貧」シリーズが私は好きだ。文字が人に見えてくる。目の前に立つと、ただただ圧倒され迫ってくる迫力が半端ない。

しかし、見ているとどこか微笑ましさ、優しさを感じた。

ここしばらく大きな展覧会はなく見ていないが、機会があったら是非見たい。

今の自分は何を感じるのか目の前に立ってみたい。

この記事を書いた人

湘南あおぞら 支援課長
石川 大助

書道師範の資格を持ち、賞状を書く時には引っ張りだこ!(副業にしようかな?)その昔陶芸家の弟子入りをしたこともある、芸術家肌です。沖縄料理が大好きで、移動中にお店を見つけたら密かに記憶し…週末には家族でGO!!