第34回 「この子らを世の光に 」(湘南あおぞら・倉重達也)

津久井やまゆり園の痛ましい事件については、事件発生から2週間が経った今も次から次へと出てくる新事実に心の動揺がおさまらない。いや、ますますその揺れが大きくなってくるのを感じています。

お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともにご遺族の皆様には心よりお悔やみ申し上げます。

 

 事件に至った原因はいろいろ考えられるでしょう。加害者の精神的状況、津久井山ゆり園・警察・病院の対応等々。それはこれまでの捜査を含め今後明らかになってくることと思います。

 

そんな中、全日本手をつなぐ育成会がいち早く反応しました。その、「私たち家族は全力でみなさんのことを守ります。ですから、安心して、堂々と生きてください。」という力強いメッセージは、関係者にとって勇気を与えるものでありました。

 

ところで、日々、事業を担っているわれわれ施設関係者はこの事件をどう考えたらよいのでしょう。

ひとつのヒントは知的障害者の尊厳を訴えた、糸賀一雄さんの「この子らを世の光に」という言葉にあると思います。

この言葉は、マタイ伝の言葉からとられたものだそうです。

「あなたがたは世の光である。山の上にある町は、隠れることができない。また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。」

 

 この本が出版されてから約50年が経ちます。

 それなのに、われわれ事業者は、まだ、ともし火を升の下に置いていたのではないでしょうか?

燭台の上に置く努力を怠ってはいなかったのでしょうか?

 

このことを痛切に反省し、障害がある方も尊厳を持った存在として暮らしていけるように全力を持って取り組んでいくことが肝要だと思います。

 

以上第34回 写真.jpg

            (7月31日に虹を見ることができました)

 

 

 なお、当ブログは5年以上に渡り毎週更新をして参りましたが、今後は隔週の更新と致します。今後も変わらぬご支援、ご愛顧頂けますよう、引き続きよろしくよろしくお願い致します。(ブログ担当・伏見)

 

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