日記

連なる目標を見すえる!

 年度初めは顔ぶれが変わり次の目標へ向け始動する。今年度、法人は"再整備元年"とし、未来の障害福祉サービスに向けたスタートの目標を掲げたことからいっそう心改まる。こう話すと"再整備"が目標のようだがそうではない。再整備はいくつもの障壁を次々にクリアしなければならない。だから建物が新しくなっても成就したとは言えない。

入所事業では個室化された環境で利用者の暮らしは変化する。その時の支援は...。職員は新たな支援が始まると承知したい。一方、生活介護事業所では、地域の人々との連携は...、利用者の主体性は...。従来の支援とは違う"質"が求められる。また、地域の人々との交流が増えれば職員個々の力量が問われ、法人の統一感が見えなければ信頼の礎が崩れる。それ故、事業運営だけではなく組織的な管理運営や地域社会との連動を意識した事業展開が必要だ。それが法人のミッション"インクルージョンふじさわ"や"それぞれのマイライフ"の具現化と連動する。つまり建物の再整備と同時に新たな環境を生かし、展開する方法が求められる。目標はバラバラではなく連動していると承知したい。

 これまで多くの社会福祉施設再整備を見たが、多くが従来の踏襲だった。だが藤沢育成会は"未来を創る!"と意識したい。たとえば、"地域福祉"の代名詞・グループホームを入所施設育ちの職員が中心に運営すると、入所施設の支援と同じことが多い。新しい建物にグループホームと名付けても「地域福祉」は成就しない。環境を生かした支援が創り出せなければ再整備とは言えない。準備には多くの時間を要し、カリスマひとりでは出来ない。そこで、最終目標に到達するために多くの対策を練った管理、運営、支援の手法を創り出さなければならない。そこに必要なのは"人材"。人材は"人財"と考え豊富な育成が必要だ。今だけを見ていては"人材が人財"にならない。事業と同様に"未来を見すえた"組織的連動が必要だ。往々にして"専門"知識のある人を"良い人材"と考えがちだが、知識を知恵に変えられなければ宝の持ち腐れだから自ら学ぶ=学習力、自ら考える=思考力、そして出来る事を探す=実行力を育てる。それが人材を人財にするポイント。さらに"チームの力量"を蓄えなければならない。個を重んじすぎると組織の力量を高める時に弊害をもたらす人材が育ちかねず要注意。だから①意思が統一された組織力、②チームを繋ぐ複合力、③チームで結果を出す実行力が大切。このためには、職員が多様に発言し提案する環境が必要。"やらせられる仕事"ではなく"自らの意思でやる仕事"が希求される。それはミッションを共有しひとり一人のモチベーションが不可欠。"ライン"の意思決定と"スタッフ"の自由闊達な発言や切磋琢磨による縦軸と横軸がかみ合わなければならない

社会福祉法人は業務が日常的なため新陳代謝しにくく、切磋琢磨を回避したがるが、"日常"を仕事とするとは利用者の日常やプライバシーに踏み込むこと。故にその非日常を日常と混同しない知識やセンスを持たなければ利用者におしつけ、支援の質が下がる。だから再整備は自らも再整備して、質の高い支援のための準備が必要だ財政課題をクリアし、建物の再整備をクリアし、新しい支援が確立し、組織運営が下支えする体制等すべてが再整備。つまり"目標が連なっている"。そのすべてを含めて"再整備元年!"(2023.4)。