日記

「五月」

 「五月」は「風薫る五月」などと言われるように新緑を吹き渡る風が若葉の香りを運んで来るとても爽やかな季節です。

 また、五月を「さつき」と呼ぶのは早苗を植える頃の月「早月」から来ているとのことですので自然のリズムと人間の生業としてのリズムを結び合わせようと言う知恵も働いたのでしょう。

 しかし、近年は気候の大きな変動もあり、生活のリズムと自然の動きが合わなくなって来たように思います。今年の桜は開花予想が大幅に外れ例年よりかなり遅くなりました。ここまで予想が外れたことは今までにはなかったように思います。

 これを書いている、4月17日現在、湘南あおぞらの庭の桜は満開過ぎましたが、ピンクと若葉の緑をとてもきれいなコントラストで映し出しています。この時期にこんなに長く花房を残している桜は今まで見たことはありませんでした。

この自然の変化と人事との関連があるのかわかりませんが、今朝のニュースで退職代行サービスのことが話題になっていました。大田区にある会社を始めて2年目の退職代行サービス会社では、相談件数が増え続け、今月は415にまでに対応した件数が678件にも及び、そのうち新入社員の数は110人だったとのことです。退職代行サービスがあるということにびっくりしましたが、新年度が始まって半月ほどで新入社員の退職の話題がでることにはさらに驚いてしまいました。退職の理由は、事前に聞いていた業務内容や条件が違っていたという今までと同じような理由でした。

 

 「五月病」と言う言葉もあるように、五月と言えば爽やかな季節と言うイメージだけでなく、新年度が始まり新しい生活の緊張感も取れて体調を崩しやすい季節なので気をつけなさいと注意を促す言葉もあります。

 しかし、これもいずれは「四月病」となるのか、あるいは自然との結びつきが薄れて全く言われなくなってしまうのかのどちらかでしょう。

 こうした自然の変化は人間の一生よりはるかに長い周期で起こるので見過ごされがちですが、実は戦争や汚職などの人事よりもより注視していかなければいけないものなのかも知れません。

以上