日記
「実用書」
先日、待ち合わせ時間に少し早く着いたので近くの書店で時間をつぶしていました。職員の中で心理学を勉強してきたと言う人が増えてきたような気がしたので何気なく「完全カラー図解 よくわかる 発達心理学」と言う本を手に取って見ました。
拾い読みしてみると、表題通りにとても分かりやすく、イラストも色とりどりで、エリクソンだのピアジュだのの説を上手に解説しています。
内容も、幼児期の「けんか」は対人スキルを学ぶ経験のひとつと肯定的に書いてあったり、「しつけ」も「しつけ」の仕方を3つのタイプに分けて「説明的・誘導的なしつけ」であれば「生活動作や行儀作法、規律、規範等を教え」「自分自身で判断して行動する力」を身につける手段として有効であると書いてあったりします。
正直なところ読んでびっくりしました。私が学生の頃の50年前にはこのような本はなかったと思います。エリクソンが書いた本は挑戦しましたが難しくて多分途中で放り投げたと思います。心理学の本と言うと専門書と言うイメージしかありませんでした。
このような実用書と言っても良いような本が出版されるようになったのは、想像するに出版業界にも心理学の素養のある方が増えて社会全体の心理学に対する教養のレベルが底上げされたからではないでしょうか。
実用書が増えてくるという事はその分野の裾野が広がってきたと言う証なのかも知れません。そうなるまでにはやはり長い年月を要すると思います。
以上
2025.7.1 理事長 倉重達也