日記

「戦後80年」

 今年は第2次世界大戦が終わってから80年に当たる年という事でテレビなどでも特集番組が多数報道されていました。その中でも若い戦争を知らない子ども達にどう語り継いでいくか、今、若い人たちはどうやって次の世代に伝えようとしているかと言うところに視点を置いた報道が目につきました。

 自分が経験していないことを語り継ぐと言う事は、「自分事として」受け止める感受性と想像力、そしてそれをまた次の知らない世代に伝えていく創造力など様々な要素が絡み合ってとても大切だけれども大変険しい道だと感じました。

 私自身も戦後生まれですが、それでも戦争体験者がまだ多少いましたので、大人同士が悲惨な状況を会話しているのをそれとなく聞く機会がありました。小学生の時には空襲で焼け野原になった写真を見ながら、それを版画にしましょうという授業があった記憶があります。しかし、それを次の世代に伝えようと言うことは、少なくとも積極的にはして来ませんでした。

 話が飛躍しますが、「自分事として」考えることが大事なのは、それまで受け身だったものが自発性に繋がっていくからだと思います。最初は他人から教えられたり、規則で嫌々行っていたものでも「自分事として」考えたり行動したりすることで同じことをしてもその意味合いが180度変わってプラスの希望の光に満ちたものになると言うことは少なからず経験するところです。

 そんなことを思いながら「戦後80年」の節目の年に若い、それも小中高生達が次に語り継ごうとする姿を見たことは明るい未来を予感させるものでした。

以上

(2025.9.1 理事長 倉重達也)