日記

「ひとつひとつ」

 先月のノーベル賞の発表に日本人の二人が選ばれたことはとても嬉しいニュースでした。

 その中でも生理学・医学賞を受賞した坂口志文氏がインタヴューで座右の銘を問われて、「高尚な四文字熟語はないが......」と前置きしながらも「ひとつひとつ」という言葉を自分に言い聞かせて、実験や論文に取り組んできたと振り返っていたことはとても印象的でした。

 不遇の時代もあったようですが、それだけにこの「ひとつひとつ」と言う言葉にはとても重みがあり、自分が確信したことを信じ切って実行した人の言葉だと思います。

 さらに「自分で興味があることを大切にしていくと、だんだん形がはっきりしていき、気がついたら面白い境地に達している。そういうことが起きれば、どんな分野でも面白い。」と言ったことを、この「どんな分野でも」と言うところにフォーカスしてみると、我々福祉関係者も含めて、すべての地道な努力を続けている人に勇気と希望を与える坂口さんのエールのように聞こえてきます。

 藤沢育成会では、障がいがあっても地域で活動し、街の中で暮らすことを目指して「インクルージョンふじさわ」の合言葉の元、さまざまな取り組みをしています。今日現在も先月の101日から126日までの67日間の長期に渡って「まちのいんくるひろば」と称して市内のあちらこちらでイベントを開催し地域との交流を深める取り組みをしています。

 こうした日々の「ひとつひとつ」の積み重ねがやがては大きな花を咲かせるだろうということ信じて一歩一歩進んでいきたいと言う思いを強くしました。

以上

(2025.11.1 理事長 倉重達也)