日記

TVの見方が変ると...

 家族団欒は長くTVがお供で、お茶の間はTV中心。家族全員で同じ番組を見るためゴールデンタイムは家族向け番組だった。BSで再放送していた『大草原の小さな家族』は人気番組で理想の家族像を日本にもたらした。また動物が主役の物語も定番。だが、TVは1人1台の時代。またYouTubeなどTV離れが始まり、広告はネットが主流になりつつある。時代は知らないうちに変化(?進化)するようでアナログ派はついていけない。

 少しは進化しないと取り残されると思う時もあるが、知らないうちに進化していることもある。近頃は放送中にTVを見ない。ライブはスポーツとニュースだけ。それでもYouTubeなど見ないのでTVを見る時間は相変わらずで見たい番組は録画する。するとTVに左右されず合理的になった。初期は刑事物。崖の上でストーリーを復習するのが嫌で見なくなった。それに比べて英国の刑事物は面白い。リアルで、センセーショナルで、釘付けになる。他には毎週放送のドラマ。全く判らない若者文化を垣間見る気持だ。なるほどこんな思考回路か...と思う。一方で、凝った内容の刑事物。視聴者の質が高くなったのだろう。結局、観る側の質が上がればTV局は胡坐をかけなくなる。それは社会福祉事業も同じで、本人や家族の質の高い求めがスタッフの力量を高める。

 観る番組は次第に変化し、最近のお気に入りは『駅(空港)ピアノ』『地球タクシー』『ガイロク』。日常を飾らずに垣間見る番組。駅にあるピアノを弾く人を映し少しインタビュー。話したり、テロップで流したり。街の文化を感じ、その人の人生を想う...。毎日弾きに来るホームレスが憩いの時間を過ごす。"ピアノを弾くホームレス?..."と思っていたらこの場で独学したそうだ。双子の子どもが習いたてを披露...。何とも様々。地球タクシーは運転手が主役。ジャマイカ編でボルトの親戚だという運転手が彼の邸宅を案内するというがなかなかたどり着かない。ジャマイカでは多くの人がボルトと親戚のようだ。コミカルな会話がお国柄を表す。ハワイでは"アロハ"の心を大切にする女性ドライバー。暮らし向きが見える。ガイロクは、"街頭録音"。町を歩く人へのインタビュー。ただそれだけ。よくその場で応じるな...と思うが、応じてくれた人だけがTVに出るのだから当然。合間に芸能人が自分の苦労話。苦労を乗り越えたから話せるが、苦労の最中では話しようがない。乗り越えた人には学んだ哲学があり、そこを引き出すのがインタビュアーの腕。考えてみれば平坦な人生など面白くもないが、平坦であることを願って頑張っているのも事実。その中で考えたことを披露すると暮らしが透けて見える。だが、いずれも地味な番組でこれを録画して観る人はあまりいないだろう。かつて娘さんがデンマークで暮らす同僚が彼の国では「ゴールデンタイムは、ニュースかスポーツ中継しかない」と話していた。世間ではセンセーショナルな内容が好まれるようだが、本当は平凡な日常を映し出すと人々の"暮らし"=社会福祉が見える。(2020.02)

この記事を書いた人

理事長似顔絵
理事長
石川 修

1974年神奈川県庁入庁が福祉人生のスタート!35年間を勤めあげて定年退職を迎えた。その後2016年度までは鎌倉女子大学の教授(愛称「じいじ」)として社会福祉を教え、福祉職の卵たちを育てた。読書、音楽をこよなく愛する熱血リーダー。