日記

「3年目の観戦」(湘南セシリア みらい社 鈴木保志)

 長女は中学3年剣道部に所属しているが、剣道の試合を観たことがなかった。中学1年の入部後、幾度となく部活や大会の送迎をしてきたが、長女から観ることを強く拒否されていた。しかし、1年の頃の約束で3年の春期大会は来ても良い、その頃には少しは剣道が強くなっているだろうと、その場しのぎのような許可を得ていた。そして先週末、2年越しで藤沢市春期大会を観に行くことができた。前日にはやはり「来るな!」とはじまったが、なにせ2年越しであるので取り合うことはない。

 剣道の試合を観るのは初めてだが、体育館はすごい熱気だ。見つからないよう、前面にでず金網を通して覗いていた。踏み込む床の音、面や胴を打つ音、礼儀、俊敏な動作は猛々しさと美しさを感じる。中学生とはいえ想像以上の迫力で、自分の中に埋もれていた感情が胸に込み上げ、激しく感動をしていた。

 長女は大丈夫なのか‥家ではいつもソファーや床にゴロゴロとしている姿しか見ていない。出番の度に勝手に緊張を重ねていたが、結果的には3位、団体戦を含み109勝と大健闘で、イメージとかけ離れた姿に興奮冷めやまず帰宅をした。

 しばらくし、帰宅した長女はすぐにソファーに転がりスマホを触っている。健闘を讃え、高校以降の剣道についてたずねると「やんないやんない、ダルい。」といつもの調子。

私はこんな彼女に夢中だ。

この記事を書いた人

鈴木 保志

自宅にグランドピアノを設置している法人内随一のピアニスト♪仕事の疲れやストレスを旋律に乗せて‥‥♪…と言いたいところですが、もっぱらお酒に走ってしまう、反省の日々です。