日記

骨髄提供体験記③(湘南ゆうき村・法人事務局 課長 高橋宏明)

法人事務局
湘南ゆうき村

骨髄提供体験記の続きです。

これまでの体験記①②は下記をご覧ください。

体験記① 【通知~確認検査】

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体験記② 【最終同意~採取前健康診断】

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採取前健康診断にて、

麻酔科医の「呼吸が3時間止まる」という説明について確認したところ、

厳密には『自力呼吸が止まる』という意味であるとのこと。

呼吸を管理するために『人工呼吸器』を使用する必要があり、

その際には気管にチューブを挿入する『挿管』を行う必要があるとのこと。

なお、挿管の際には、喉を傷める可能性があることについても説明を受けた。

3時間程度で無事、移植前健康診断を終えた。

7月中旬【骨髄提供決定】

移植前健康診断を受けた数日後、結果が届いた。

『骨髄採取可能な健康状態』とのこと。

これで、正式に骨髄提供が決まった。

候補者の間は『提供しない可能性』もあるので上司以外には伏せていたが、

決定したタイミングで湘南ゆうき村の職員にも伝え、

今後の通院や入院について報告した。

7月下旬【自己血採血】

自分の血液を採るために病院へ。

骨髄を採る=体内の血液量が減る

その為、事前(手術の12週間前)

自己血を採って保存し、手術中に戻す必要がある。

私は1400mlの採取だったが、

2回に分けて800mlほど採るケースもあるとのこと。

採血中、看護師さんから

「患者さんの体重等によって、骨髄採取する量が決まるんですよ」

と教えてもらい、

「ということは、子どもなのかな?それとも女性?」

なんて勝手に想像しながら、30分程度で自己血が採れた。

自分の血を自分に戻す準備・・とても不思議な感じ。

この時期、自身の体調管理にはこれまで以上に敏感になっていた。

というのも、患者さんはすでに前処置(抗がん剤治療など)に入っており、

もし私が体調を崩してしまえば、骨髄提供そのものが中止になる可能性がある。

「自分の健康が、誰かの命に直結する」

そう考えると、ちょっとした喉の違和感や倦怠感にも神経質になる毎日。

振り返ってみると

骨髄提供までのプロセスで、いちばん辛かったのは、

身体的な負担よりも、「ちゃんと提供できるだろうか」という

そのプレッシャーだったのかもしれない。

今回はここまでにさせていただきます。

次回は入院の様子をお伝えできればと思います。

写真は、『花よりだんご虫』の娘たち。

公園で散歩中、色とりどりの花が咲く中で、

「せっかくだから、花を背景に笑顔の写真を撮ろう!」

と、親として期待がふくらみます。

ところが娘たちはというと......

咲き誇る花には目もくれず、

しゃがみこんで夢中になっているのは地面。

視線の先には、1匹のだんご虫。

「見てー!丸くなったー!かわいいー!」

花なんて目に入っていません。

2人の関心は完全に『花よりだんご虫』。

何度呼びかけてもこちらを見てくれず、

花をバックにした笑顔の写真なんて、撮れるはずもありません。

でもふと、「いや、これでいいんだな」と思いました。

咲いている花の美しさよりも、足元の小さな命を見つけて心を躍らせる姿。

その自由さと感性こそが、今しかない子どもの瞬間なのかもしれません。

思い通りの写真は撮れなかったけれど、

花よりだんご虫に心奪われるその好奇心と自由さに、

なんだか嬉しくなってしまいました。

大人の「こうあってほしい」を

軽やかに裏切ってくれる子どもたちの姿に、

学ぶことは多いなと感じた春の一日でした。

この記事を書いた人

高橋 宏明

藤沢育成会のミスター・ムードメーカー。クールな眼差しで、場の空気を瞬時に読み、あっという間にハッピーな空気を作ります。仕事への思いは熱く、新しいことにもどんどんチャレンジ!オフでは、心優しきパパ。子どものために、今日も頑張ります!