日記
気持ちを伝える(法人事務局 課長 佐藤和美)
自分の気持ちを伝えることが苦手と感じています。
昔はそうでもなかったので、大人になったからなのかな、とも思いましたが、自分の気持ちを伝えることばを使えていないことに気づきました。
みなさんは、「いづい」という言葉をご存じでしょうか。
東北の方言ですが、"居心地が悪い""違和感がある"などと表現されています。
洋服のタグが皮膚にすれて、ムズムズ、チクチクする時の気持ちを表現する時に、「タグがすれていづいんだよね~」
長袖のシャツを2枚重ね着して、中に着ているシャツが、皮膚と上のシャツの間でよれて、違和感があって着心地が良くない時に、「シャツたごまって、いづいんだよね~」
歯にものが挟まって、取るにも取れず、違和感があり、気持ちが悪いと感じる時に、「歯に挟まっていづいんだよね~」
ゴミ箱を移動し、いつも置いてある場所にゴミ箱がない時に、「ごみ箱の位置が変わっていづいね~」
目にゴミが入り、ゴロゴロしている時に、「目がいづいんだよね~」
集会などで人が密集し、隣の人と密着して、精神的にも空間的にも居心地が悪く、隣の人との距離をあけてほしい時に、「いづいので、移動してもらえますか」
思えば「いづい」で自分の気持ちを伝えてきました。多用していたおかげで、「いづい」で表現以外の表現ができなくなってしまいました。地元にいる時には気づきませんでしたが、自分の思いを伝えられる方言が通じるという環境のおかげで、意思の表出が保障されていたのでした。
福祉の仕事のひとつに環境作りがあります。私たちの仕事は、利用者さんの気持ちや希望を社会に向けて翻訳し、地域の中で実現できるよう支援しています。利用者さんの人生を豊かにいろどりあふれた世界にするために、意思の表出が保障される環境を整備し、自分らしい生活を過ごせるように支援しています。
方言が伝わる地域=自分らしい意思が表出できる場所は、利用者さんにとって、初めは施設の中だけかもしれません。方言が伝わる地域を広げていくこと=利用者さんのしたい暮らし、意思の表出ができることを広げていくことが支援の仕事に似ているかなぁと思います。利用者さんがいきいきと過ごせる場所が増えていく...インクルージョンふじさわですね。
※写真は、"茅の輪"。この輪をくぐり、無病息災や厄除け、家内安全を願うそうです。
この記事を書いた人

3人の子育てと仕事を両立したワーママ。あまりの忙しさに、当時の記憶が一部飛んでしまっています。そんな激動をかいくぐり、最近では娘と「推し活」に励むゆとりが出てきました。子どもたちの影響で、流行をキャッチするアンテナの感度良好!困った人を見ると放っておけない性質も生かし、育成会屈指の“バリキャリ”として邁進していきます!(と、鼓舞してみる)
