日記

湘南だいちの施設長・課長日記

「健康」(湘南だいち・相談支援プラザ 伏見 康一)

湘南だいち
相談支援プラザ

いよいよ明日から新年度。引き続き湘南だいちと相談支援プラザ配属となりました。どうぞよろしくお願い致します。

2020年度は感染症に伴う混乱と不安の真っただ中の幕開けとなり、いささか心中揺れておりますが、まずは利用者、職員等の健康を何より大切にしていきたいと思っております。そしてこのような事態の時こそチーム一丸となって冷静に、実直に取り組んでいくべきだと考えております。

私の名「康一」は、「健康一番」の意だったとのこと。確かにそのおかげか今まで大きな病気やケガなく過ごしてくることができ、恵まれていたと感じております。なんの取り柄もない私ですが、せめて名前の意図を伝えることで皆様のお力の足しになれば幸いです。
心身共に健やかに、新年度を過ごしていきたいと思います。

伏見20200331 ①.JPG

Photo by Mitsugu Sato



『「ダブル成人式」から思うこと・・・』(湘南だいち 宗像喜孝)

湘南だいち

 2月といえば、節分の季節です。ここ最近は、節分の行事にはつきものの「恵方巻」の食品ロス問題の話題の方が盛り上がり、そもそもの行事の意味や内容については置き去りにされているように感じます。ちなみに過去に住んでいたことのある屋久島では、大豆ではなく落花生を鬼に投げつけます。落ちても中身には影響されず、しかも、飛び散らずに後片付けが楽でした。とても衛生的で合理的です。

 さて、最近「ダブル成人式」というイベントを各地域の自治体、他が行っていることを知りました。イベントを行うに至った経緯としては、20歳の時に何らかの理由で、成人式に参加できなかった人たちが、その心残りを解消するために企画をしたそうです。ちなみに、調べてみると、藤沢市では今年で第八回目を迎える巷では恒例のイベントとなっており、毎年のべ1000人以上の参加者が集い、地元にゆかりのある新40歳の交流の場となっているそうです。自分は今年で参加資格を持つ年齢を迎えますが、イベントの意味合いがよく理解できず、たぶん参加はしないでしょう。

かの有名な織田信長にゆかりのある歌である「敦盛」の一節に

「(中略)

人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり

一度生をもうけ、滅せぬもののあるべきか

これを菩提の種と思い定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ」

とあります。歌の意味については諸説あるので割愛しますが、安土・桃山時代では、当時の人間の寿命のひとつの目安は、せいぜい50歳程度と考えられていました。現代では「人生百年時代」とも言われています。時代が変われば、年齢に対する価値観や考え方が変わります。常にアンテナを張り、その時代に生きている各世代の価値観にチャンネルを合わせられる柔軟な考え方を持つことの大事さを考えさせられました。

画像→少し前までは見ることも恐れていたのに、今ではお面を被って遊べるようになりました。

「アウフヘーベンの実り」(湘南だいち・相談支援プラザ 伏見 康一)

湘南だいち
相談支援プラザ

「ある主張(テーゼ)とそれに矛盾する主張(アンチテーゼ)を合わせて、どちらの主張も切り捨てずに、より高いレベルの結論へと導くこと(ジンテーゼ)。」これは弁証法理論の考え方である。この考え方は「全てのものは己のうちに矛盾を含んでおり、それによって己と対立するものを生み出す」ことを前提としている。


さて私見ながら今の福祉に置き換えてみる。なおテーゼとアンチテーゼに優劣、良悪はなく、あくまで同値同等である。

「施設」(テ):「地域」(ア)、「訓練」(テ):「支援」(ア)、「集団」(テ):「個人」(ア)

「弱み」(テ):「強み」(ア)、「多数」(テ):「少数」(ア)


などなど他多数。社会福祉は未だ「テーゼとアンチテーゼの関係性が己のうちに内包される自己矛盾の範疇を超えてないもの」が堆積している状態なのではないか、と推察する。


では、どのように考えるか。

「施設」:「地域」の考え方を例題にしてみる。

テーゼ:施設は大きな建物で居住が確保されている。

アンチテーゼ:地域の暮らし方は自由、プライバシーも守られる。

アウフヘーベン*:テーゼとアンチテーゼを「より高いレベル」へと止揚する。

ジンテーゼ:管理されず自由でプライバシーが守られる施設(建物)、「支援者のいない施設」などいかがだろうか。つまりそこは支援者も利用者もなく皆が生活者という場。


今こそ「自由奔放なイマジネーション(=アウフヘーベン)」が福祉には必要なのかもしれない。まずは自らが考えることこそ重要なのだと思索する。制度がネックなら制度ごと止揚してしまえばいい。長い歴史の中で培われた功績がいよいよ実ってきている。


*「アウフヘーベン」

ドイツ語。「止揚」「揚棄」と訳される。「止めて揚げる」「棄てて揚げる」の意。対立しあう二物の関係を一つ上の次元に引き揚げる、の意。


*写真

「秋富士」河口湖畔より撮影