日記
相談支援プラザの施設長・課長日記
〜ひな祭り〜(相談支援プラザ 一戸香織)
先日、お伺いしたお宅の居間にお雛様が飾ってありました。
玄関を入ると目の前に、7段飾りのお雛様!!
とても品格を感じたのと同時に年代を感じました。
7段飾りは、普通の家では見かけた事がなく、まだ2月に入ったばかりで、少し早い飾り付けに感じたので、「もうお雛様飾りを出す時期なのですね」と話しました。
すると、そのお雛様は代々受け継がれてきた100年前からのもので、毎年飾っているとの事でした。
100年前から毎年家族を見守って来た歴史と、変わらずに毎年飾って来られた方々に感慨深いものを感じました。
お雛様は、毎年節分が終わり、立春の頃から出しているそうです。
節分で豆まきをして厄を払ったあとに飾るのがよいとされ、桃の節句は「春の節句」という事もあり、春の訪れを告げる立春の頃に出すのが最適だそうです。
そのお宅では、春の訪れを感じる一つの行事として、毎年恒例でお雛様を飾っているとの事でした。
そういえば、私が小さかった頃も、母が毎年お雛様を飾っておりました。
あのお雛様はどうしたかな?と、ふと思い出して実家の母に連絡したところ、
私たち子どもが成長し、巣立ってからも変わらず毎年飾っているとの事でした。
もう30数年も、実家のお雛様飾りを見てない事を思い出しました。
春の訪れを感じる頃、小さい頃毎年見ていたお雛様飾りに、久しぶりに会いに行きたいと思いました。
~友人宅のお雛様~
84歳になるお母様が子どもの頃からのお雛様です。
子どもたち作成の飾りも増え、それぞれの思い出があります。
「アウフヘーベンの実り」(湘南だいち・相談支援プラザ 伏見 康一)
「ある主張(テーゼ)とそれに矛盾する主張(アンチテーゼ)を合わせて、どちらの主張も切り捨てずに、より高いレベルの結論へと導くこと(ジンテーゼ)。」これは弁証法理論の考え方である。この考え方は「全てのものは己のうちに矛盾を含んでおり、それによって己と対立するものを生み出す」ことを前提としている。
さて私見ながら今の福祉に置き換えてみる。なおテーゼとアンチテーゼに優劣、良悪はなく、あくまで同値同等である。
「施設」(テ):「地域」(ア)、「訓練」(テ):「支援」(ア)、「集団」(テ):「個人」(ア)
「弱み」(テ):「強み」(ア)、「多数」(テ):「少数」(ア)
などなど他多数。社会福祉は未だ「テーゼとアンチテーゼの関係性が己のうちに内包される自己矛盾の範疇を超えてないもの」が堆積している状態なのではないか、と推察する。
では、どのように考えるか。
「施設」:「地域」の考え方を例題にしてみる。
テーゼ:施設は大きな建物で居住が確保されている。
アンチテーゼ:地域の暮らし方は自由、プライバシーも守られる。
アウフヘーベン*:テーゼとアンチテーゼを「より高いレベル」へと止揚する。
ジンテーゼ:管理されず自由でプライバシーが守られる施設(建物)、「支援者のいない施設」などいかがだろうか。つまりそこは支援者も利用者もなく皆が生活者という場。
今こそ「自由奔放なイマジネーション(=アウフヘーベン)」が福祉には必要なのかもしれない。まずは自らが考えることこそ重要なのだと思索する。制度がネックなら制度ごと止揚してしまえばいい。長い歴史の中で培われた功績がいよいよ実ってきている。
*「アウフヘーベン」
ドイツ語。「止揚」「揚棄」と訳される。「止めて揚げる」「棄てて揚げる」の意。対立しあう二物の関係を一つ上の次元に引き揚げる、の意。
*写真
「秋富士」河口湖畔より撮影