日記

相談支援プラザの施設長・課長日記

〜ほっとするひととき〜(相談支援プラザ 課長 一戸香織)

相談支援プラザ

 連休などの休みになると、実家へ帰省します。

 多くの人が同じように移動する時期なので、高速道路はどこも混雑しており車はなかなか進みません。

 渋滞の列に並びながら、家族との会話も途切れがちになり時間だけが過ぎていきます。

 そんなとき、立ち寄るサービスエリアやパーキングエリア。

 トイレ休憩や気分転換のために車を降りると、冷たい外気に触れ少しだけ気持ちが切り替わります。

 トイレの洗面台の近くに、季節の花が飾られていることがあります。

 春にはチューリップや菜の花、夏にはヒマワリ、秋にはコスモス、冬には南天やシクラメン。派手ではないけれど、丁寧に活けられた花がそこにあるだけで空間が優しく感じられます。

 手を洗いながらその花に目を向けると不思議と心が落ち着きます。

 ただのトイレ休憩のはずが、花の存在によって旅の疲れや渋滞のイライラが少し和らいでいくのです。

 「あと少しで着くかな」と前向きな気持ちにさせてくれます。

 誰が花を活けてくれているのだろうと、思いを巡らせることもあります。

 施設のスタッフが「立ち寄った人に少しでも癒しを」と思って花を替えてくれているのかもしれません。

 そう考えると、その優しさにも心が温かい気持ちになります。

 ほんの短い時間ではありますが、そんな何気ない瞬間に「ほっとする」ことがあります。ただの休憩ではなく、心をリセットして次へ進むための大切なひとときなのかもしれません。

 こうした"ほっとする"体験は、日々の暮らしの中で、誰かがそっと差し伸べてくれる優しさや心遣いに気づかせてくれます。ほんの小さな気配りや思いやりが、見知らぬ誰かの心を和ませたり、前を向くきっかけになったりすることがあるのだと思います

 自分もまた、誰かにとっての「ほっとする存在」でありたい。そんな思いを、旅先の何気ない風景が胸に残してくれました。

 春の訪れとともに、そんな優しさを感じながら新しい季節を迎えたいと思います。

課長日記:写真②谷川岳パーキングエリアにて.jpg

声をかける前の"あいだ" (相談支援プラザ・よし介工芸館・アートスペースわかくさ 施設長 小野田智司)

よし介工芸館
アートスペースわかくさ
相談支援プラザ

声をかけようか、

それとも、そっとしておこうか。

ほんの一瞬のことですが、

その"あいだ"には、

いろいろな気持ちが行き来しています。

相手の様子を気にしたり、

自分の今の状態を考えたり。

その数秒の"あいだ"に、

迷いやためらい、そして勇気が

詰まっているように思います。

施設の中でも、街の中でも、

ふと気になる方を見かけたときに、

少し立ち止まり、

目で追うことがあります。

「今、声をかけていいのだろうか」

「もう少し、そっとしておいたほうがいいのだろうか」

その迷いは、

決して消極的だから生まれるものではなく、

相手を大切に想うからこそ

生まれるものなのだと感じています。

障がい福祉サービスの場では、

「支援する人」「支援を受ける人」と

分けて語られることが多くあります。

けれど、実際の関わりの中では、

その境界がはっきりしない場面のほうが

多いようにも思います。

声をかけるか、かけないか。

手助けするか、見守るか。

そのどちらでもない時間の中で、

関係は少しずつ

形づくられていくのかもしれません。

昨秋(2025年秋)に藤沢育成会が取り組んだ

「まちのいんくるひろば」も、

そんな時間を大切にできる場だったように思います。

話す人もいれば、

話を聴く人もいる。

立ち止まる人も、

ただ通りすぎる人もいる。

支援する/されるという役割ではなく、

同じ時間と空間を共有すること。

そのこと自体に、

確かな手応えがあったように感じています。

声をかける前の、ほんの一瞬。

その迷いを大切にできることが、

支援や地域のやさしさにつながっていく。

そんな気がしています。

■表紙の写真■

よし介工芸館の階段の風景です。

時折、作品が入れ替わります。

私自身も、ふとした時に立ち止まります。

きっと、

よし介工芸館のみなさんも、

同じように足を止め、

少しの"あいだ"を過ごしているのだろうなぁと思います。

まちのいんくるひろば(相談支援プラザ・よし介工芸館・アートスペースわかくさ 施設長 小野田智司)

よし介工芸館
アートスペースわかくさ
相談支援プラザ

ここ数年、健康診断の結果をきっかけに、
退勤後のジョギングを続けています。
夏の夕方、まだ日が高く、
まちはやわらかな光に包まれています。
コースもだいたい決まってきて、
同じ時間に、同じ場所を、同じ格好で、
タッタカタッタカと走っています。

そうしているうちに、
すれ違う同じジョギングする人、
犬の散歩をするグループ、
おしゃべりしながら歩く人たちなど、
"
いつもの顔ぶれ"が見られるようになりました。
自然と「こんにちは~」と挨拶を交わすことも増えていきます。

そんなある日、お休みの日に散歩をしていて、
公園のベンチで休んでいると、
「こんにちは~」と声をかけられました。
一瞬どなたかな?と思いましたが、
いつもの"おしゃべり散歩"の女性のおひとりでした。
少しの時間、ベンチでおしゃべりをして過ごしました。

ふと、『ひろばって、いいな』と思いました。
誰かが計画したわけでも、誰かの持ち物でもない。
ただ、人がそこに集い、関わり、また離れていく......
その繰り返しのなかに、まちの"息づかい"のようなものを感じました。

藤沢育成会が今取り組んでいる「まちのいんくるひろば」も、
そんな"まちの呼吸"を感じられる場所にしたいと思っています。
福祉のイベントというよりも、
誰もが自分らしくいられる「まちのなかの居場所」に。

声をかける人、
話を聴く人、
ボール遊びをする子どもたち、
空を見上げて写真を撮る人、
楽器を練習している人、
ただ通りすぎる人。
すべての人が、ひろばを形づくる大切な"主人公"です。

福祉の世界では、
「支援する人」「支援を受ける人」と区分して語られがちですが、
「ひろば」には、そうした境界がありません。
立ち止まった人が誰であっても、
そこに"関係"が生まれる。
そんな場を、まちのなかに少しずつ増やしていけたらと思います。

いま開催中の「まちのいんくるひろば」にも、
この公園のように、
たくさんの笑い声と笑顔が交わる時間が
生まれたらうれしいです。

~あのね~(相談支援プラザ 課長 一戸香織)

相談支援プラザ

先日、実家に帰省した際のことです。

ふと引き出しの中を整理していたら、懐かしいノートが見つかりました。

表紙には「あのね」と書かれていました。

それは、小学2年生の頃に担任の先生と続けていた交換日記でした。

ページをめくると、当時の自分が毎日の出来事を一生懸命に言葉にしている姿が蘇ってきました。

学校であった楽しいことや少し悲しかったこと、家族とのちょっとした会話まで素直な気持ちで綴られていました。

思い出してみると、毎朝先生が教室に来ると、私は「あのね先生」と声をかけていました。クラスのみんなも話したいことがたくさんあり、自然と先生の周りには人だかりができていました。

そんなある日、先生が「話したいことがあれば、ノートに書いてごらん」と言ってくれたことをきっかけに、交換日記が始まりました。

私だけでなく、クラスのみんなも先生と日記を交わすようになり、それぞれが思い思いのことを書いていました。

日記には、「おばあちゃんがお菓子をもらってきて、あゆみと食べました」といった内容もありました。おばあちゃんは、老人会などの集まりに出かけると、お菓子を食べずに家に持ち帰り、私や妹たちに分けてくれました。

明治時代に生まれたおばあちゃんの優しさと心遣いは、今でも私の心に深く残っています。

おばあちゃんが忘れ物を持ってきてくれたときのことも書かれていました。

「おばあちゃんが忘れ物を持ってきてくれました。うれしかったです」と記されていました。

足が悪いのに一生懸命に歩いて、そっと下駄箱に入れてくれてありました。

おばあちゃんの歩く姿は今でも鮮明に心に残っています。

言葉にするのが難しかったことも、ノートには素直に書けたように思います。

先生は、どんな日も返事を書いてくれていました。

たとえ短い言葉でも「ちゃんと読んでくれている」と伝わる温かいひとことが書いてありました。

今、大人になって振り返ると、あの頃の自分はとても正直でした。

感じたことをそのまま言葉にして、飾り気のない素直な気持ちを書いていたのです。

しかし、大人になると、言いたいことをそのまま伝えることが難しくなってきました。空気を読んだり、言葉を選んだり、本音を飲み込むことも増えました。

誰でも「聞いてほしい」と思う気持ちを持ち続けているのかもしれません。

「聞いてもらえた」と感じられるだけで、心が少し軽くなることもあります。

あの頃の素直さを思い出させてくれた日記。

日記は、私にとって大切な宝物となりました。

写真②日記最後 一戸.jpg

50年(相談支援プラザ・よし介工芸館・アートスペースわかくさ 施設長 小野田智司)

よし介工芸館
アートスペースわかくさ
相談支援プラザ

先日、両親の金婚式のお祝いを

家族が集まり行いました。

50年......

80代の父と70代の母

結婚当初は

30代の父と20代の母

50年.

月で云えば「600か月」

日で云えば「18,262日」

そんな長い年月の中で

きっと"喜怒哀楽"様々なことがあったのだと思います。

子どもを育てるながら

単身赴任があったり

大きな病気や怪我をしたり

祖父母の介護に向き合い

今では孫の世話もしてくれています。

父と母、それぞれにとっての

"主人公"となるエピソードがいくつもありました。

そのエピソードを皆できいて

大笑いしたり、ちょっとセンチメンタルになったり...

とてもあたたかいすてきなお祝いの場となりました。

―――――――――――――――――――――――

そして......

藤沢育成会も50年に向かって歩んでいます。

法人の前身である

地域作業所「星の村共同作業所」を開設されたのは、1978年。

今年で47年が経ちました。

もう少しですね。

藤沢育成会の歩みはコチラをご確認ください。

今では「当たり前」と思える日常も、

制度の変遷の中で本当に様変わりしました。

特に印象的なのは、

障害のある方が

"福祉の対象"から"権利の主体"へと

変化したことです。

昭和の終わり頃でも「保護されるべき存在」として見られており、

福祉は"受けるもの"という印象が強かったと思います。

令和の今、障害のある方は"一人の市民"として

「権利を主張する主体」として位置づけられ、

差別の禁止、合理的配慮の義務化、意思決定支援の推進など

法整備も進んでいます。

次の50年。

60か月、18,262日のその先に......

私たちの今の「当たり前」と思える日常も

どのように変化していくのでしょうか。

とても楽しみです。

■表紙の写真■

金婚式を行った父母の家

孫にあたる世代に飾り付けを

頑張ってもらいました。

半径5m(相談支援プラザ・よし介工芸館・アートスペースわかくさ 施設長 小野田智司)

よし介工芸館
アートスペースわかくさ
相談支援プラザ

2025年になりました。

本年もよろしくどうぞお願いいたします。

2024年度母校で開催された

公開講座に複数回参加しました。

卒業生だけでなく、一般の方も含めての講座です。

教授より、問題提起がなされたのちに

参加者がそれぞれ今の自分のことを話し、

参加者の皆で応じるように意見交換し

深く考える場となりました。

私は「半径5m」の話をしました。

いろいろな支援計画書や

いろいろな会議は大事だけれども

やはり大事なのは、その「人」の日常の様子です。

「半径5m」

触れられそうで触れられない距離。

少し広そうですが、その方の様子はよくわかる距離。

ちょっとした雑談、

ちょっとした行動、

その範囲のなかの職員さんや環境、

その「ちょっとした」ことが

半径5mをみることで見えてきます。

ほかの参加者からは

能登半島地震および豪雨災害への対応について

ただボランティアとして泥をかき出したり

物を運んだりするのではなく、

住まう人の想いに寄り添いつつ

何気ないお話をすることのほうが求められている

けれど、ずっとはいられない...

など苦悩していることを共有がありました。

ほかにも

津久井やまゆり事件の話、

成長に心配する子育ての話、

とある施設での話、

様々な話の共有がありましたが

多くの共有点は

やはりその人の想いを基本に考えるということでした。

「半径5m」

皆様もちょっと意識してみてください。

■表紙の写真■

実践報告会

テーマ「利用者本人が活躍できる居場所作り」

~社会モデルを意識した支援の実践~

今年も盛りだくさんの内容で

写真や映像資料を示しながらの報告もあり

書面では気づけないことを

たくさん学ぶことができました。

日常から地域の方々との

継続的なつながりが

いかに大事か。

基本的な挨拶を継続します(^^