日記

法人事務局の施設長・課長日記

理想の割合(法人事務局 課長 佐藤和美)

法人事務局

 息子が「男と女の家事分担って、"5:5"じゃないの?」と言ってきました。突然の思いも寄らない発言に、何ごとかと思いました。

 授業で、「男女の理想の家事分担割合は?」という質問に、生徒が挙手で答えたそうです。クラスメイトは、"2:8"や"3:7"、"4:6"で手を挙げ、息子ひとりが"5:5"で手を挙げたとのことでした。

 息子が超少数派の意見だったため、「オレ、間違ってるかなぁ...。でもさ、男女平等っていうし、男でも女でも仕事してるのにねー。」となんだか腑に落ちない様子でした。

 家事については、家族間の問題になったり、ドラマでもフォーカスされたものがあったり、何らかの思いや課題を抱えている人が多い時代なのかもしれません。ロボット掃除機などの家電も進化しています。家事ができる人型ロボットも開発され、受け付けも始まったそうです。

 家事に限らず多様性を尊重される時代になりました。ダイバーシティとインクルージョンを目指す今より、息子たちが大人になる時代には、家事分担を論じる以前に、ロボットやAIの技術で"家事"という言葉さえなくなっているかもしれないなぁ...などと思いながら、息子の成長を感じたひとこまでした。

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 ※写真は、藤沢育成会の互助会で参加したクルーズ船から撮影した工場夜景です。当日は、お天気に恵まれ、絶好のクルージング日和となりました。

骨髄提供体験記④ (湘南ゆうき村・法人事務局 高橋宏明)

法人事務局
湘南ゆうき村

前回までの体験記はこちら

骨髄提供体験記①

骨髄提供体験記②

骨髄提供体験記③

8月上旬【入院初日】

真夏の晴れた朝。

次女を保育園、夏休み中の長女を学童へ送り届け、病院へ。

10時30分、骨髄バンクのコーディネーターが付き添い、入院手続きを開始。

受付は10分ほどで完了し、

骨髄バンクから「入院支度金」として5,000円を受け取る。

ここからは単独で病棟へ移動。

案内されたのは、トイレとシャワー室付きの個室。

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初日は術前入院のため、手術説明がある以外は自由時間。

持参した積読本をこの機会に一気に読み終え、

必要もないのに施設長全員のGoogleカレンダーをチェック。

これもすぐに終了。

テレビカードを購入して、開幕したての甲子園を観戦。

やることがなくなったので病院内を散策することにした。

がん専門の総合病院で「暗い雰囲気」を勝手に想像していたが、

院内は明るく整理されており、そうしたイメージは感じない。

看護師たちは、移動可能なカート式のパソコンで立ちながら業務をこなす。

見ていてとてもかっこいい。

初めての入院。しかも「元気だからこそ」の入院。

どう過ごせば良いのか分からず、

ベッドの背もたれを上げたり下げたりして、なんとなく時間を過ごした。

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12時過ぎ、昼食が配膳される。

昨日から同姓の入院患者が3人もいるらしく、

採血や食事のたびにフルネームで確認される。

少し面倒だが、この徹底ぶりには安心感があった。

食事は温かいおかずと冷たいデザートがしっかり分けて提供される。

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思わず「これ、加算ついてるんだろうな」と、

職業病的な目線でチェックしてしまう。

18時30分、夕食を済ませ、翌日の手術に向けて3つの制限が課される。

①間食は禁止

②飲み物はOS-1のみ可(3本支給)

③翌朝6時以降は絶食

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OS-1を飲んでおくと、麻酔の効きが良くなるんですよ」

と看護師さんが教えてくれる。

22時、「手術に備えて早めに眠りたい」

そう思えば思うほど、逆に寝付けない。

病院の個室とはいえ、入口に鍵はなく、定期的に看護師が見回りに来る。

0時、看護師さんに相談したところ、睡眠導入剤を処方してくれる。

服用後、すぐに眠りについた。

次回は、入院2日目骨髄摂取手術についてお伝えいたします。

9月23()、湘南ゆうき村の30周年感謝祭を開催しました!

たくさんの方にご来場いただき、本当にありがとうございました。

そして本日、2025101日で湘南ゆうき村は30歳を迎えました。

ここまで歩んでこられたのは、支えてくださった皆様のおかげです。

これからの湘南ゆうき村も、どうぞあたたかく見守り、

一緒に歩んでいただければ嬉しいです。

今後ともよろしくお願いいたします。

気持ちを伝える(法人事務局 課長 佐藤和美)

法人事務局

自分の気持ちを伝えることが苦手と感じています。

昔はそうでもなかったので、大人になったからなのかな、とも思いましたが、自分の気持ちを伝えることばを使えていないことに気づきました。

みなさんは、「いづい」という言葉をご存じでしょうか。

東北の方言ですが、"居心地が悪い""違和感がある"などと表現されています。

洋服のタグが皮膚にすれて、ムズムズ、チクチクする時の気持ちを表現する時に、「タグがすれていづいんだよね~」

長袖のシャツを2枚重ね着して、中に着ているシャツが、皮膚と上のシャツの間でよれて、違和感があって着心地が良くない時に、「シャツたごまって、いづいんだよね~」

歯にものが挟まって、取るにも取れず、違和感があり、気持ちが悪いと感じる時に、「歯に挟まっていづいんだよね~」

ゴミ箱を移動し、いつも置いてある場所にゴミ箱がない時に、「ごみ箱の位置が変わっていづいね~」

目にゴミが入り、ゴロゴロしている時に、「目がいづいんだよね~」

集会などで人が密集し、隣の人と密着して、精神的にも空間的にも居心地が悪く、隣の人との距離をあけてほしい時に、「いづいので、移動してもらえますか」

思えば「いづい」で自分の気持ちを伝えてきました。多用していたおかげで、「いづい」で表現以外の表現ができなくなってしまいました。地元にいる時には気づきませんでしたが、自分の思いを伝えられる方言が通じるという環境のおかげで、意思の表出が保障されていたのでした。

福祉の仕事のひとつに環境作りがあります。私たちの仕事は、利用者さんの気持ちや希望を社会に向けて翻訳し、地域の中で実現できるよう支援しています。利用者さんの人生を豊かにいろどりあふれた世界にするために、意思の表出が保障される環境を整備し、自分らしい生活を過ごせるように支援しています。

方言が伝わる地域=自分らしい意思が表出できる場所は、利用者さんにとって、初めは施設の中だけかもしれません。方言が伝わる地域を広げていくこと=利用者さんのしたい暮らし、意思の表出ができることを広げていくことが支援の仕事に似ているかなぁと思います。利用者さんがいきいきと過ごせる場所が増えていく...インクルージョンふじさわですね。

※写真は、"茅の輪"。この輪をくぐり、無病息災や厄除け、家内安全を願うそうです。

リフレッシュ (法人本部 事務局長 石川歩)

法人事務局

以前、20232月の施設長課長日記に、「今年は是非私生活で新しいことに挑戦したい」と抱負を書かせていただきました。

日常に忙殺されなかなか新しい挑戦が出来ずに過ごしていましたが、昨年の11月頃に、息子から「釣りに行ってみたい」との希望をきっかけに、3回ほど釣りに挑戦して来ました。

初めての時は手ぶらで、かつ近場で行ける場所が良いと考え、電車で行ける多摩湖駅前フィッシングエリアに行きました。(私が県外在住のため藤沢からは遠いです・・)

多摩湖駅前フィッシングエリアは、西武園遊園地の流れるプールを活用したフィッシングスポットです。プールのシーズンオフを活かした面白い取り組みだなと前々から気になっていた場所でした。

道具一式を借りてレクチャーを受けて、いざ晩御飯のおかずを・・と二人で意気込んだのですが、残念なら2回行って2回ともボウズでした。

3回目の挑戦で、ゴールデンウィークには道具を買って小田原の海まで釣りに行き、息子はめでたく3匹のカサゴを釣り上げていました。私は釣れませんでしたが、小学校高学年になり外出に付き合ってくれなくなりつつある息子との新たな楽しみを見つけられて大満足です。

写真は文章と全く関係ありませんが、最近我が家の一員になった、仕事の疲れを癒してくれる大切な家族です。先天的に舌が長く顎が短いため、よく仕舞い忘れてしまうのがチャームポイントです。

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骨髄提供体験記③(湘南ゆうき村・法人事務局 課長 高橋宏明)

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湘南ゆうき村

骨髄提供体験記の続きです。

これまでの体験記①②は下記をご覧ください。

体験記① 【通知~確認検査】

社会福祉法人藤沢育成会 | 骨髄提供体験記①(湘南ゆうき村・法人事務局 課長 高橋宏明) | 施設長・課長日記

体験記② 【最終同意~採取前健康診断】

社会福祉法人藤沢育成会 | 骨髄提供体験記②(湘南ゆうき村・法人事務局 課長 高橋宏明) | 施設長・課長日記

採取前健康診断にて、

麻酔科医の「呼吸が3時間止まる」という説明について確認したところ、

厳密には『自力呼吸が止まる』という意味であるとのこと。

呼吸を管理するために『人工呼吸器』を使用する必要があり、

その際には気管にチューブを挿入する『挿管』を行う必要があるとのこと。

なお、挿管の際には、喉を傷める可能性があることについても説明を受けた。

3時間程度で無事、移植前健康診断を終えた。

7月中旬【骨髄提供決定】

移植前健康診断を受けた数日後、結果が届いた。

『骨髄採取可能な健康状態』とのこと。

これで、正式に骨髄提供が決まった。

候補者の間は『提供しない可能性』もあるので上司以外には伏せていたが、

決定したタイミングで湘南ゆうき村の職員にも伝え、

今後の通院や入院について報告した。

7月下旬【自己血採血】

自分の血液を採るために病院へ。

骨髄を採る=体内の血液量が減る

その為、事前(手術の12週間前)

自己血を採って保存し、手術中に戻す必要がある。

私は1400mlの採取だったが、

2回に分けて800mlほど採るケースもあるとのこと。

採血中、看護師さんから

「患者さんの体重等によって、骨髄採取する量が決まるんですよ」

と教えてもらい、

「ということは、子どもなのかな?それとも女性?」

なんて勝手に想像しながら、30分程度で自己血が採れた。

自分の血を自分に戻す準備・・とても不思議な感じ。

この時期、自身の体調管理にはこれまで以上に敏感になっていた。

というのも、患者さんはすでに前処置(抗がん剤治療など)に入っており、

もし私が体調を崩してしまえば、骨髄提供そのものが中止になる可能性がある。

「自分の健康が、誰かの命に直結する」

そう考えると、ちょっとした喉の違和感や倦怠感にも神経質になる毎日。

振り返ってみると

骨髄提供までのプロセスで、いちばん辛かったのは、

身体的な負担よりも、「ちゃんと提供できるだろうか」という

そのプレッシャーだったのかもしれない。

今回はここまでにさせていただきます。

次回は入院の様子をお伝えできればと思います。

写真は、『花よりだんご虫』の娘たち。

公園で散歩中、色とりどりの花が咲く中で、

「せっかくだから、花を背景に笑顔の写真を撮ろう!」

と、親として期待がふくらみます。

ところが娘たちはというと......

咲き誇る花には目もくれず、

しゃがみこんで夢中になっているのは地面。

視線の先には、1匹のだんご虫。

「見てー!丸くなったー!かわいいー!」

花なんて目に入っていません。

2人の関心は完全に『花よりだんご虫』。

何度呼びかけてもこちらを見てくれず、

花をバックにした笑顔の写真なんて、撮れるはずもありません。

でもふと、「いや、これでいいんだな」と思いました。

咲いている花の美しさよりも、足元の小さな命を見つけて心を躍らせる姿。

その自由さと感性こそが、今しかない子どもの瞬間なのかもしれません。

思い通りの写真は撮れなかったけれど、

花よりだんご虫に心奪われるその好奇心と自由さに、

なんだか嬉しくなってしまいました。

大人の「こうあってほしい」を

軽やかに裏切ってくれる子どもたちの姿に、

学ぶことは多いなと感じた春の一日でした。

ヤンソンさんの誘惑(法人事務局 課長 佐藤和美)

法人事務局

今年は、暖冬と言われつつも寒い日が多かったです。先日もとにかく寒くて買い物にも出かけたくない!家にある食材で作れるものないかな...と、スマホでレシピ検索をしていました。

『じゃがいも 玉ねぎ 簡単 レシピ』と検索すると、"ヤンソンさんの誘惑"の文字が目に入ってきました。一瞬、レシピ検索してたはず...と自分を疑いました。

"誘惑"とは、"惑う"の言葉がつくように、どちらかといえばネガティブな意味が含まれる言葉です。

惑わすの意味が含まれるため、"甘いものの誘惑に負けない"など相手を悪い方向に導くようなニュアンスがあります。負の意味を感じさせる料理名をどうして付けたのだろう?と興味が深まります。

マルゲリータ、サンドイッチ、八つ橋など、人の名前がついている料理名はあるけれど、修飾語として名前が入っている料理は、人生を半分過ぎましたが、初めての料理名です。

昔、スウェーデンの菜食主義者の宗教家エリック・ヤンソンさんが、この料理の香りと見た目に誘惑され、思わず食べてしまったというところから名付けられたそうです(諸説あり)。スウェーデンではクリスマス料理としても一般的で、日本では数年前のドラマで紹介され広まったようです。

玉ねぎは薄切りに、じゃがいもはせんぎりに、アンチョビはあらみじんに切ります。フライパンにバターを溶かし、玉ねぎ、ジャガイモも炒めたものとアンチョビをかさねて、生クリームとパン粉、バター、粉チーズをふりかけオーブンで焼きます。

オーブンから出した熱々を一口食べると、おいしい!寒い日にぴったりでからだが温まります。"誘惑"という負のイメージの料理名に疑惑を抱いていましたが、なるほどと思いました。

自分の中で常識と思っていることも、言葉通りと素通りせずに、確認することが大切なんだなと実感しました。

カロリー的には高めなので、"誘惑"の意味は間違っていなかったかもしれません。

※写真は日本で初めて発見さた恐竜の化石「フタバスズキリュウ」です