日記

施設長・課長日記

皆既月食  (湘南ゆうき村 課長/ 高橋 羽苗)

湘南ゆうき村

11月、皆既月食・天王星食が話題になりました。

今回は、皆既月食と天王星食(惑星食)が併せておきたことで400何年かぶりなのだったそう。次回の皆既月食と同時に見られる惑星食は300年ほど先の土星食だそうです。

昔の人は月食や日食は不吉と言われていたという話を、そりゃそうだろうなーと思っていたのですが、実は私が思っていたよりもだいぶ早い時代から日食や月食の予報がされていたそう。

今回の月食は条件が重なり、よりスペシャルなイベントとなりましたが、月食は多くて年に3回あることもあり、周期的なものという気づきから予報がされていたとのこと。その周期は莫大な記録を整理して導き出したものだそうです。

とはいえ、難しいことはわからずミーハーな私は、月食や日食、流星群などさまざまな天体ショーを楽しむだけ。今回の月食は、天気も良く月が大きく、きれいに欠け始めて...興奮をしながらの帰り道だったはずが、家に着いたらすっかり気が抜け、一番いい場面は実はちゃんと見ていないという結果に終わりました。

残念!

11月8日 皆既月食が始まる前の月と湘南ゆうき村です。

「伝わるもの」 (湘南だいち 課長/石川 大助)

湘南だいち

先日、知人から展示会の案内が送られてきたので見に行ってきました。

『ハンデのある方の現代アート 気づきの時展―さいかい』

立体、平面など200点以上の大きさも色合い違った個性あふれる作品ばかりが展示されていました。会場内は、何とも言えない明るい雰囲気が漂っていて、順に見ていくのがワクワクしてしまう作品ばかりで、何より一つ一つの作品から作家それぞれの「一生懸命に取り組む姿勢」と「これが好き!!」という気持ちが伝わってきて心を揺れ動かされました。

アクリル絵の具で描かれた動物、色合い豊かな線が重なり合った線画、段ボールとセロテープで形作った電車、日付が入った日記のような線画の束、薄紙を何枚も重ねて作った猫・犬・兎、一枚の紙を切り抜いて立体にした動物、軽いタッチで描かれた風景画、鉛筆で描かれた人の描写、瓶を描いた静物画、思うままに筆を動かし瞬間を閉じ込めた文字、端まで丁寧に作られた陶器。

人の気持ちそのものは目に見えないですが、筆の運び、細部へのこだわり、色合い、くねくねの線の重なり、セロテープの重ね具合、束ねられた紙の枚数、、、それらの過程を経た造形物には作家の思いが蓄積されていました。

どれだけの「これが好き!!」の思いが積み重ねられてきたのだろう、、、。

これを描こうかなと思ったのは何でだろう、、、。

描き始めはどこからだろう、、、。

なんでこの色になったのだろう、、、。

どんな表情で描いているのだろう、、、。

どうなったらこれで完成!となるのだろう、、、。

思いをはせると、作っている過程を見てみたくなってしまいました。

この展示会の題名の通り、「気づきの時」になりました。

目に見えない気持ちを考えることは、支援の現場でも同じことが言えます。仕草や行動、目線など行動に現れる気持ちは瞬間に流れてしまい、造形物のように手に取って上から下から眺めることはできませんが、皆で考え気づいたことを伝えあいながら一人ひとりの気持ちを知っていきたいですね。

写真は湘南だいち2階のぷれっじテラスで撮った夕方の景色です。

「生活支援の専門性を支える」 (湘南ゆうき村・湘南だいち 施設長/妹尾 貢)

湘南だいち
湘南ゆうき村

12月に入って一気に寒くなりました。

今年度も半分が終わり、来年度に向けての準備期間に入っています。

今回は、法人で実施している研修を少し紹介させていただきます。

藤沢育成会が行っている研修は大きく分けて2種類、①一般向け研修と②職員向け研修があります。

  • 一般向け研修(神奈川県から指定・委託を受けて実施)

・サービスセンターぱるが主に担当

「知的障害者ガイドヘルパー養成研修」:年2

「行動援護従業者養成研修」年2

・湘南ゆうき村・湘南だいちが主に担当

「強度行動障害支援者養成(基礎)研修」年3

「強度行動障害支援者養成(実践)研修」年2

「行動障害の予防的支援のための研修」年2

があります。

これら研修は、法人の職員以外も参加できるので、他法人の同業の方たちと一緒に学ぶよい機会になっています。これら研修を通して、藤沢市や神奈川県の支援力の向上に貢献できればと考えています。

また、今年度からあらたに、強行研修のプレ研修的な位置付けで「行動障害の予防的支援のための研修」を、神奈川県から受託して実施しました。「予防」の言葉が示す通り、行動障害などの二次的な障害を生じないためには、支援する人たちが連携して、適切な支援を届けることが重要です。未就学~学齢期の支援者の連携のため、福祉と教育の垣根を超えた共通認識のために、今研修は、障害福祉の従事者に加えて、学校教員も受講していただけるような設定にしました。

 実施してみると反響が大きかったので、当初の想定から規模拡大し、それぞれ約100名の参加がありました。

  • 法人内職員向け研修は、法人全体研修、等級別研修、専門研修(必修・選択)資格取得研修、圏外派遣研修などがあり、私が担当している法人研修委員会は、主に専門研修(選択)の企画を担当しています。

今年度の選択専門研修は、これまでに、

 ・「地域共生社会に向けた取り組み」62

 ・「家族の想い」77

 ・「行動障害の予防的支援のための研修」726日、824日 

 ・「行動障害の予防のための意思決定支援研修」831

 ・「法人実践報告会」1022

 ・「地域生活推進検討会」1129

を実施し、このあと、1月と3月に専門研修を予定しています。

支援の現場を持ちながら、研修を受講したり、それを企画・運営したりすることは、それなりの労力を伴いますが、勉強することで仕事の質が上がり、それによって利用者やそのご家族の生活に貢献でき、喜んでもらえれば、それはまた、仕事へのモチベーションにもつながります。

研修を企画運営することは、実は受講する人以上に、自分の勉強になると感じています。内容を分かっていないと、他者に伝えることができないからです。

社会福祉・障害福祉の専門性は、生活に密着している分だけ幅がひろく、ちょっとわかりにくい部分もありますが、実は奥深く、知れば知るほど興味深いです。

職員もそれ以外の人も、面白く学んでいけるような研修になるように、法人全体で取り組んでいます。

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(写真は、116日に、六会地区総合防災訓練に参加したときの様子です)

「爪が...」(湘南あおぞら・アポロ・法人本部事務局 課長/石田 友基)

湘南あおぞら

僕の部屋には毛むくじゃらの同居人、ウサギの琥珀君がいます。

数か月前のスタッフ日記で写真だけ紹介させていただきました。

ネザーランドドワーフという種類のウサギで、「小さい」「丸い」「耳が短い」が特徴。大人のこぶし2個分くらいの大きさです。(体重約970g)

ツンデレな性格をしており、主がかまってほしい時には、触れさせてくれず、かまってほしくないときに、絡んできます。

野生では、捕食される側の動物の為、基本的には、臆病者で警戒心が強く、警戒すると、目を大きく開き、耳をピンと立てて、後ろ足で立ったりすることがあります。

先日、日課の「へやんぽ」(部屋の中で散歩)をしているとき、テレビからの大きな音にビックリして、室内を猛ダッシュ。ここまではよくある光景なのですが。ふと絨毯に目を向けると、赤い点々が所々についており、ウサギが座っているところには血だまりが...

抱えて足を見てみると、左手の小指から出血し、爪がぷらぷらな状態に...

どうやら、走った勢いで、根本から爪が折れてしまった様子。痛みから、しばらく前足をパタパタ振っていました。

後日病院に連れていくと、人で言えば、爪の根本だけ残してすべてはがれた状態とのことでした。折れた爪を切除し、様子を見ることに。

自分の爪がはがれたことを想像すると、それだけで血の気が引きます。

爪が折れた状態でも食欲は変わらず、元気に走りまわっており、動物の逞しさを感じました。

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「風になりたい」  (  湘南あおぞら・アポロ 施設長/石塚 和美 )

アポロ
湘南あおぞら

 秋空の下、今年はたくさんの学校で体育祭や文化祭が開催されました。空の上でも皆既月食&天王星食という442年ぶりの天体ショーがあり、ワクワクした気持ちで夜空を眺め「明日も一日頑張ろう!」と元気をもらいました。

 

 藤沢育成会は11月12日に「いんくるフェスティバル」を開催しました。秋晴れの中、湘南ゆうき村の収穫祭や、秋葉台公園でのポニー乗馬会、秋葉台文化体育館大会議室での作品展、各事業所紹介や感謝の気持ちを込めた「いんくるムーブメント」などZOOMでつなぎそれぞれのイベントを配信映像で楽しむことができました。

 湘南あおぞらでは、利用者の皆さんが個性あるプラバン作りに挑戦し、おやつには湘南だいちのパンをおいしくいただきました。そして、メインイベントは湘南音学院藤沢の皆様をお迎えした音楽会を開催しました。「オーシャンゼリーゼ」や「上を向いて歩こう」など利用者の皆さんが知っている曲を演奏していただきました。湘南音楽院藤沢の皆様、ありがとうございました。数年ぶりにお客様をお迎えした音楽会となり利用者の皆さんもとても楽しんでおられました。

いんくるフェスティバル 湘南音楽院藤沢様の演奏 コピー.jpg

 いんくるフェスティバル実行委員会、それぞれの事業所の利用者・職員の皆さんが力を合わせて事業所、地域がつながることができたと実感した行事となりました。

 

 同日に近隣の村岡公民館まつりも3年ぶりの開催となり、湘南あおぞらも出店販売をさせていただき、たくさんの作品をご購入いただきました。今年の公民館まつりは小学校の校庭を使い広い場所で感染対策を行いながらの開催となりました。校庭ではたくさんのテントが並び、ミニSL乗車では子どもたちの歓声があがり、うれしい気持ちが伝わってきました。

湘南あおぞらの庭の桜も紅葉が始まり、ふと見るとつぼみが・・・。急ぎ足で秋が通り過ぎていく中で、風が心地よく感じられた一日でした。

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~六年水~ (相談支援プラザ 課長/一戸 香織)

相談支援プラザ

紅葉が散り始め、日に日に冷え込みが厳しく感じられるようになる今の時期を二十四節気では「小雪」と呼んでいます。

そんな季節の移り変わりを感じたい時、少し気持ちに余裕がある時は、1泊2日のあわただしいスケジュールで故郷に帰ることがあります。

いつもの高速道路にいつも立ち寄るパーキングエリアがあります。

たくさんのペットボトルや4リットルの大きな焼酎の空きボトルを持ってきている人たちが水を汲んでいます。

そのパーキングエリアで汲まれている水は「谷川の六年水」と呼ばれています。

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「谷川の六年水」は谷川岳に降り積もった雪や雨が地中にしみ込み6年の月日を経て地上に湧き出したものと言われています。

水はどこでも同じ味と思っていた私ですが、喉を通るときにふと感じる水の柔らかさ、お茶を飲んだときのまろやかさを「谷川の六年水」に教えてもらいました。

その水を汲むために列に並んでいるとき、「この水が地中に入り始めた6年前私は何をしていたかしら」と考えてしまいます。

家族からは「この水を汲むときいつも同じ事言っているよね」と言われます。

でも私は「数日前に降った雨が6年後にこの蛇口からでてくるのはとってもすごいこと、6年後には何をしていたい?どうなっていたい?」と逆に質問を返してしまいます。

家族からの答えはありませんでしたが、私は6年後どうなっているのだろうかと自問自答しながら、目先のことだけを考えるだけでなく、5年後、6年後、10年後そしてその先の行動にも繋げて行かなくてはならないと考えている私でした。

小さなペットボトルに水を汲み、お茶をいれ、そして飲みながらほっとひと息つくことのできた今回の帰郷でした。

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冬の始まりを感じる赤唐辛子の藁編み