日記

施設長・課長日記

「令和の時代劇」(湘南ゆうき村/アポロ 施設長 三嶌 悟)

アポロ
湘南ゆうき村

新型コロナウイルスの影響で遅れていた、テレビドラマ「半沢直樹」が始まった。心待ちにしていた人も多いことが、視聴率からも伺える。今回の「半沢直樹」は、2013年以来の続編となっている。

 私も、2013年の第1弾を観ていた。その時は、「やられたらやり返す、倍返しだ」のインパクトさと、緻密な展開とテンポの良い展開にスカッとし心が躍った。

 そして、続編である第2弾。めまぐるしく動く展開がスリリングで興味深い。「令和の時代劇」という所以にも納得できる。

しかしなぜか、第1弾と第2弾の時では、楽しさという気持ちに変わりはないが、第1弾の時より今回の第2弾は、やや複雑な心境を覚えてしまう。

それは、立場による視点の違いにあると感じた。第1弾の時は、現場の責任者として主人公の行動に胸が高鳴った。第2弾の今回は管理職として、対峙者や組織としての反対側の心境にも理解することができる部分もある。(自分に投げかけられているのかとも)

私の今年度のテーマは、「支援と事業の透明性」を掲げている。そういった意味では、主人公の「透明性」には大いに共感できる。

組織や事業は、人が動かすものである。少なくとも、自分自身が「倍返し」されないように、謙虚に邁進していきたい。

写真は、リニューアルした小会議室(相談室)です。オンライン会議にも対応しています。

新しい採用活動のかたち(サービスセンターぱる 施設長・法人事務局 事務局長/石川歩)

サービスセンターぱる
法人事務局

今年のお盆休みは、コロナウイルス感染防止対策のため、また熱中症対策のために、いつもとは違う過ごしになりました。日常の買い物以外は外出できず、まるで寝正月のような過ごしになってしまいました。

さて、私は法人の常勤職員採用を担当しています。採用活動にも新型コロナウイルスの影響が色濃く、昨年までとは異なる工夫を行っています。

一つ目は、採用説明会への工夫です。例年、入所施設の湘南あおぞらに来ていただき、職員による事業説明や座談会、施設案内を行っていますが、今年は入所施設への法人外の方の入館をお断りしているため、普段は利用者の方が来所されることがない、地域支援事業の事務所で説明会を行っています。見学も、直接施設をご覧いただけないため、あらかじめVTRに撮影し、映像で施設内を紹介しています。また、説明と見学をセットでVTRにしたウェブ説明会も実施しており、ご好評いただいております。

二つ目は、採用面接への工夫です。3密を防ぐため、今年度は原則1名ずつの面接としています。さらにウェブ面接のシステムを取り入れ、来所されなくても面接が可能となっております。

三つ目として、感染対策とは直接関係がありませんが、このような社会情勢下でもインターンシップ(学生による社会、職場体験)に参加される学生を対象として、個別支援計画作成やフィードバックなど、より多彩なプログラムを提供しています。多くの学生に藤沢育成会、そして社会福祉の仕事の魅力を知っていただけたらと考えております。

すでに半年が経過した新型コロナウイルスとの闘い、そして共存。様々な観点から、提供するサービスの水準を保ちつつリスクを最小限とする努力を続けていきます。

写真)外出できない中、アサガオが夏を届けてくれました。

黒崎義介先生の命日(よし介工芸館/アートスペースわかくさ 施設長 妹尾 貢)

よし介工芸館
アートスペースわかくさ

梅雨が明けて、気持ちよく晴れた朝にバイクで快調に走っているとき、ふと思った。

「俺って最高!」

いやしかし、このバイクを作ったのは私ではない。

YAMAHAのバイク最高!」

でも、この道路を作ったのは?

交通ルールを作ったのは?

ルールを守って安全運転しているのは?

そもそも僕がここに存在するのはどうやって?

こうやって考えていくと、今まで生きてきたすべての人のおかげで、今、自分の日常があることが、リアルに感じられた。

一人の人間の一生という、限られた身体、限られた時間で達成できることは、ほんの少しだろう。

先人のうまくいったことは、他の人に伝えられ、活用されて、さらに深みを増す。

忘れていけないのは、失敗もまた、人類の経験となって他の人達の役に立っている、ということだ。

それらの蓄積を共有して、その上にさらなる工夫をして生きていくのが、人間という生き物の特徴だ。

そう考えると、すべての人への感謝の気持ちで心が満たされる。

人とは非常に個別性の高い生き物であるが、一方で、ひとりではとても無力な生き物である。

だから、自分の在り方と社会とのはざまで苦しむこともあるのだろう。

自然な形で、社会と一体感をもって、生きていけたら、幸福なことだろう。

藤沢育成会も、いままでたくさんの利用者、ご家族、職員、ボランティアさん、業者さん、そのほか、関係者や、直接は関係のなかった市民まで含めて、様々な人の協力で支えられてきた。

なかでも、法人格取得以前の「星の村作業所」の時代から、多大なるご協力をいただいた、黒崎義介先生と時子夫人には、ことさらに感謝の意を表したいと思う。

昭和59812日が、先生の命日である。

よし介工芸館の前には、藤沢在住の彫刻家、桒山賀行さん作「義介の像」があり、毎日挨拶できるが、命日にはお墓参りに行きたいと思う。

季節の中で (湘南セシリア、みらい社 施設長 石塚 和美)

みらい社
湘南セシリア

 4月7日の緊急事態宣言を受けて、宣言解除までの3か月間は利用者、ご家族、職員とともに新コロナウイルス感染予防対策や健康管理を行いコロナ禍をのりこえてきました。ご協力いただきました利用者、ご家族、職員、関係機関の皆さまに深く感謝申し上げます。5月25日にようやく解除となりましたが、7月17日に神奈川警戒アラートが発出され、新しい生活様式を取り入れながらこれからの日常を過ごしていきたいと思います。

このような中でも、季節は確実にめぐり夏を迎えようとしています。日常も少しずつですが戻ってきていると感じる瞬間があります。湘南セシリアでは七夕企画や前庭での夏まつりイベントの開催。みらい社は新しい作業種やサークル活動の取り組み方の検討など。

また、地域の中でも子どもたちの登下校時の元気な声や中学校校庭での部活動の朝練風景、道端の草花や生き物たち。自分とかかわりのない人やものからも元気をたくさんもらっていることを改めて感じました。

梅雨のあけた湘南の空を見上げながら、この夏は何をして過ごそうかと考えています。

緊張と緩和(湘南だいち・相談支援プラザ 伏見 康一)

湘南だいち
相談支援プラザ

コロナウィルスの感染状況がどうにも治まらない渦中において、今日まで事業所が通常営業出来ていることについて、利用者・ご家族・職員・関係者各位には深く感謝致したい。何よりも不安と混乱の中、実直に業務にあたっている職員皆様には只々頭が下がる思いである。私自身も感染予防を疎かにしているつもりはないものの、緊張の糸がずっと張りつめているとも感じている。去来するのはこの先もどうか皆元気に過ごせますように、という神頼みにも似た境地だ。

 一方、私生活で新たな出来事があった。家族で籠るのに何かいいものはないか、と考えたあげく麻雀を購入。結果リビングのデスクが雀卓になった。家族全員が初心者で一から挑戦であったが娘と息子にもそこそこはまった様で家族の新たな楽しみとなった。勿論子どもに金銭を要求したりはしていない。賭けなくとも緊張からの解放には十分な楽しみとなっている。

「雨降って地固まる」の諺をあらためて噛み締めている。そしてこの先の目指す地は「新しい生活様式」の世界。工夫を凝らし「withコロナの生活」がこれからの大きな課題。メリハリの効いた過ごし方が肝要だろう。緊張と緩和のバランスこそ大事なのだと思案する。

麻雀に興じてから家族の絆が深まった気がする。ささやかではあるが私なりの新しい喜びだ。

天災は忘れた頃にやってくる(湘南あおぞら 施設長 倉重 達也)

湘南あおぞら

寺田寅彦が言ったとされるこの至言も、昨今の河川の氾濫のニュースなどのように記憶の生々しいうちに次々とやってくると多くの人も指摘するように人災ではないかと思いたくなります。

一口に災害といってもいろいろあります。寺田寅彦は関東大震災の経験をこのように表現しました。人が人生における大地震に見舞われる周期と地球規模の大地震が起きる周期が違うということを科学者でもある寺田は表現したかったのでしょう。

新型コロナ感染症の流行で、カミュの「ペスト」が売れているそうです。19世紀末に大流行したペストを経験した人は生存していないと思うのでまさに感染症の流行も「忘れた頃にやってくる」災害の一つに数えられると思います。

天災か人災かという議論も、地球温暖化のように人間の営みが自然現象に多大な影響を与える時代になると複雑な要因が錯綜して「天災」と「人災」の境界線が失われてきているのではないでしょうか。ひょっとすると環境の変化に対応して人間の方が突然変異をおこして泥の中でも住めるようになるかも知れません。

人間は偉大であるのか愚かであるのか。今の時代はまさに混とんとした世界に踏み込みつつあります。

以上

(写真)あおぞらの庭に咲いた花