日記

施設長・課長日記

『驚き』(みらい社・湘南ジョイフル 課長 石川大助)

みらい社
湘南ジョイフル

 赤や黄色など色とりどりのグラデーションが鮮やかな「紅葉狩り」の季節だ。

 世界にも紅葉する落葉広葉樹はあるが、日本は四季の関係もあってその種類が多く錦絵のように多様に色づくので、紅葉が好きな私としては嬉しい限りだ。

 先日、紅葉してなんとも綺麗な"もみじ"の樹を見つけた。

 背丈は低く紅葉した葉が手にとどく背丈のもみじを見つけ近寄ってしばし見とれていたのだが、ふと細い糸のような枝?の先に茶色の2枚の羽を付けたものが垂れ下がっているのを見つけた。何かと思って画像検索をしてみると「もみじの翼果」と出てきた。翼果(よくか)は果実の一種で、松ぼっくりにも付いている羽のついた種子とは異なるものらしい、、、。もみじの樹にそのようなものが付いている事を初めて知り驚いた。

 話はちょっと逸れるが、この翼果を知る数日前に恐竜の化石ついて、みらい社の利用者と話していたこともあってか、ふと、、、翼果の化石ってあるのか?いつから羽が付いたのか?別な形だったのか?と疑問が沸いた。

 調べてみると、約300万年前〜数千万年前の地層の可能性がある兵庫県の神戸市を中心とした地域に分布している「神戸層群」という地層から、現代のカエデ属と見分けがつかないほどよく似た、プロペラ状の翼果の化石が見つかっているらしい事が分かった。樹木の化石は見た事があったがそのような化石が本当にあった事にまず驚きだが、プロペラ形状の翼果は、以後の数万年の歴史の中で劇的な進化はしておらず、「これ以上ないほど優れた形」であるため、進化する必要がなかったかもしれないという話だ。それほどの前から、既にカエデ属の樹は環境に順応した最高の形を生み出し生存し続けてきたのだと思うと、みらい社の敷地にあるもみじの"翼果"にもなんだかロマンを感じてしまう。

 ちなみに翼果は、6月頃にピンクと薄黄緑色の色合いで付き、秋ごろに乾燥して茶色くなって落っこちるらしく来年の楽しみが出来たが、忘れないように覚えておかねば、、、。

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 写真は、みらい社敷地内のもみじの"翼果"とみらい社屋上から撮った"日の沈む直前"の景色です。

波多江式インディアン的福祉論㉚(番外編) 「我が家のしきたり」(湘南セシリア・みらい社・湘南ジョイフル施設長 波多江努)

みらい社
湘南ジョイフル
湘南セシリア

波多江家では一般には受け入れがたいしきたりがある。それは「知らないバンドのTシャツは着るべからず」

音楽好きな私の単なるこだわりを家族に押し付けている。

今年の夏、息子が23歳になった。幼稚園時代からの幼馴染からグリーンデイというバンドのTシャツをプレゼントされた。息子から「父さん、このTシャツをもらってしまったので、僕が好きそうな曲を教えてもらえないかな...」と相談があった。

迷うことなく、世界的ヒットした数曲を紹介した。数日後、曲を聴き続けた息子から「このバンド好きかも」というコメントを確認し、Tシャツに袖を通すことを許可した。

そしてその後、息子は、プレゼントしてくれた幼馴染に「お前、グリーンデイ聞くの?」という質問に「何それ?」 と返事が帰ってきたそうだ。

最近のバンドTシャツブームではそちらの方がマジョリティで、我が家のしきたりがマイノリティなのだろう。(I wanna be the minority)。

最後にひとこと。

幼馴染のおさむ(仮名)!お前は俺の息子同然だ!お前もしきたり守らせたろうか!

息子よ、変な父さんでごめん...

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自分のTシャツを数えてみたら、20着を越えていた

理想の割合(法人事務局 課長 佐藤和美)

法人事務局

 息子が「男と女の家事分担って、"5:5"じゃないの?」と言ってきました。突然の思いも寄らない発言に、何ごとかと思いました。

 授業で、「男女の理想の家事分担割合は?」という質問に、生徒が挙手で答えたそうです。クラスメイトは、"2:8"や"3:7"、"4:6"で手を挙げ、息子ひとりが"5:5"で手を挙げたとのことでした。

 息子が超少数派の意見だったため、「オレ、間違ってるかなぁ...。でもさ、男女平等っていうし、男でも女でも仕事してるのにねー。」となんだか腑に落ちない様子でした。

 家事については、家族間の問題になったり、ドラマでもフォーカスされたものがあったり、何らかの思いや課題を抱えている人が多い時代なのかもしれません。ロボット掃除機などの家電も進化しています。家事ができる人型ロボットも開発され、受け付けも始まったそうです。

 家事に限らず多様性を尊重される時代になりました。ダイバーシティとインクルージョンを目指す今より、息子たちが大人になる時代には、家事分担を論じる以前に、ロボットやAIの技術で"家事"という言葉さえなくなっているかもしれないなぁ...などと思いながら、息子の成長を感じたひとこまでした。

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 ※写真は、藤沢育成会の互助会で参加したクルーズ船から撮影した工場夜景です。当日は、お天気に恵まれ、絶好のクルージング日和となりました。

人とクマ(法人本部 事務局長 石川歩)

最近、クマの出没がニュースでよく取り上げられます。

山の実りが少ないせいか、人里まで降りてくる様子。北日本を中心に特に山間部では被害も多く、大変ご苦労されていることと存じます。

長かった夏が終わり、まもなく紅葉シーズン到来ですが、山登りやハイキングに行くのもためらわれるところです。

東京や神奈川など関東でも多数の出没情報があります。私の住んでいる市も、隣の市まで目撃報告が迫っていて、いよいよ他人事ではないと感じています。

クマは遠く北海道や東北の山にいる存在、または動物園に行くと会える程度の認識でしたが、こうして身近に感じると少し怖い思いもあります。

インターネットなどで調べると、主に本州に生息するツキノワグマは下記の特徴があるそうです。

・成獣の体長は1〜1.8mくらい、体重は80~150kgくらい

・時速約50Km、100メートルを7秒で走れる

・木登りや水泳が得意

・聴覚や嗅覚が優れている

100メートルを7秒で走れるうえに、斜面や悪路でもスピードがあまり落ちないとのこと。よくクマに遭ったら走って逃げないように注意されますが、絶対に逃げ切れそうにないですね。

人とクマ、お互いにとって良い解決が見られることを願っています。

写真は先日、子どもの付き添いで山に行く可能性があったので用意したクマよけ鈴です。幸い(?)悪天候のため中止になりました。

変わりゆく景色(よし介工芸館・アートスペースわかくさ 課長 石田友基)

よし介工芸館
アートスペースわかくさ

写真はよし介工芸館玄関から見える景色です。目の前には大きな工場があったのですが、数週間前から解体工事が始まり、あっという間に建物がなくなってしまいました。

よし介工芸館がある、遠藤地区では、数年前から区画整理に関する話を耳にすることがありました。調べてみると、藤沢市都市マスタープランの構成というものがあり、遠藤地区では「健康と文化の森地区まちづくり」という計画があるようです。確かに、遠藤地区を見てみると、慶應大学や慶育病院、秋葉台体育館などの大きな施設や森、田畑などの自然もあり、「健康と文化の森」というコンセプトに合っていると感じました。

健康と文化...文化......。よし介工芸館はアートの事業所!都市計画の中に、よし介工芸館という名前を刻めたらカッコよさそうなどと妄想しながら計画をみていました。

景色が変わり、玄関にいる義介先生の銅像が少し寂しそうに見えますが、これから変わりゆく景色に想像を膨らませながら、解体工事の様子を眺めていました。

〜暗記パンがあったらねぇ〜(相談支援プラザ 課長 一戸香織)

小さな頃から観ていた『ドラえもん』。

毎週テレビを楽しみにしていました。漫画や映画も大好きでした。

何でも出してくれる魔法のポケットを持つドラえもんと、友達になりたいと思っていました。

先日、八十歳の方のお宅を訪問したときのこと。

その方は、少し笑いながら話してくれました。

「最近、物忘れが増えてきてね。昔は何でもすぐ思い出せたのに、今は何をしようとしていたか忘れちゃうことがあるのよ」

「スマホを使っているけど、時々どう操作していいか分からなくなるの」

そう言いながらも、「忘れないようにメモを取っているのよ」と、ノートを見せてくれました。

ページいっぱいに丁寧な字で書かれた日々の記録。そこには、暮らしの工夫と努力がにじんでいました。

そして、ぽつりと一言。

「ドラえもんの"暗記パン"があったらねぇ。どんなに助かるかしら」

私は思わず笑ってしまいました。

「ああ、ありましたね、"暗記パン"。パンに写して食べると覚えられるパンですよね」

子どもの頃、テストの前に"暗記パン"が欲しいと何度も思ったものです。

「そうそう。あれがあったら、毎日全部食べちゃうわよ」

その方も笑いながら、ドラえもんの話を続けました。

けれど、ふと気づきました。

その方が今、求めている"暗記パン"は、安心して日々を過ごすための道具なのだと。

記憶力の衰えは、誰にとっても不安なことです。

でも「忘れること」を恐れるのではなく、

「思い出す手がかりを残すこと」や「誰かに聞ける安心感を持つこと」が、これからの暮らしを支えてくれるのかもしれません。

ドラえもんのような魔法の道具はなくても、

メモや会話、人とのつながりの中に「記憶のヒント」があります。

すべてを完璧に覚えることはできなくても、

誰かと共に思い出しながら歩んでいけること。

そのつながりが、記憶を補い、心を支えてくれるのではないでしょうか。

道具がなくても、人との関わりや日々の工夫の中にこそ、

安心して暮らしていくための"記憶の助け"があるのだと思います。

その一つひとつの時間を大切に積み重ねていくこと。

それこそが、私たちの暮らしを豊かにしてくれる"魔法の力"なのかもしれません。

↓我が家のドラえもん

写真①我が家のドラえもん.jpg